***11/13追記しました ・ 必ずそちらもお読みください***


FBを流し読みしていたら、こんな記事を見つけました




それは、雪崩の事故で旦那さんが埋まってしまったという奥さまの投稿で、当時旦那さんが身に付けていたビーコンが《送信モード》になっていなかったのが、どうやらビーコンの欠陥にあるという内容です

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=10104798993615257&id=13610721




記事の中では《PIEPS DSP》と書かれているだけで、それが《PRO》なのか《SPORT》については触れられていませんが、《SPORT》の写真が載せられたページもありました

10/17追記:16日の夜にビーコンの写真はなぜか削除されておりました




さらに、文末のリンク先をクリックして、インスタに投稿されている動画を見てみました





これを見る限りでは、ロックボタンを押さなくても、強い力がかかるとスライド式の送信・受信・電源offの切り替えスイッチが動いてしまうのが分かります (実演してる)




FB記事へのコメント欄には、こんな写真も投稿されていました




ビーコン本体をホルスターにセットしたときのイメージ写真なのですが…




写真には《Buckle and Safety Lock Alignment》と書き込まれており、文法的にはともかく、『一直線になっちゃってるよ』という注意喚起です




拡大してみると…


ホルスターのバックルが、ビーコン本体のロックボタンに重なっています




これだと、何かの原因でバックルに力が加わった場合に、ロックボタンも解除されてしまうことになるリスクがあります




ホルスターは製造コストの安い東南アジアで作るだろうから、厳密にバックルの位置なんかは考えずにやっちゃったんでしょうね




ちなみにビーコン本体の裏表を逆にしてホルスターにセットしても、外から押されてボタンを押し下げる力が働いてしまうとスライドスイッチが動いてしまいます




ボクが使っている旧DSPも、純正ホルスターは寸法がきつすぎて、ビーコンチェックのために出し入れするのがあまりにも困難なので最初からホルスター無しで使っています




また、BC穂高さんというショップのHPにも注意喚起の情報が載っていました

PIEPS ピープス製品の不良品多発による販売中止のお知らせ


これによれば、ロックボタンに関係する部分だけではなく《ストラップホール》にも不良があり、販売数量約200台の1割に不良があったとのこと




10%に不良って、尋常ではありません




当該スイッチの問題だけではなく、ストラップホールが割れてしまうため本体を落としてしまったり紛失してしまったりというリスクがある、という内容です




ちなみに、こちらの写真なのですが…


黒いバンジーコードの取り付け部分の黄色いプラスチックが割れています




拡大してみると…


ここがポロっと取れてしまったら、ビーコン本体はどこかへいってしまいます




見た感じでは特殊な色には見えないので、パーツの形状が良くなかったのか、もしくは成型の《型》に樹脂を流し込むときに何らかの不具合が発生していたのか…




BC穂高さんのTwitterにも複数の写真がありました

https://twitter.com/BC_HOTAKA/status/939669868390924288?s=19

 


⬆️ 輸入元がKEMとなっていますが、現在はロストアローが取り扱っているようです


PIEPS取扱店の変更についてのKEM社からのお知らせ






 

こちらが投稿されていた写真の一部です



1枚目は、コインで回して開ける電池ボックスの蓋のネジなのですが、削りすぎたようですね




2枚目がストラップホール部分の破断のアップです




秀山荘に在籍していた頃、アドバイザーで現アルパインガイド協会会長の森さんに『プラスチックは樹脂と色素の相性が大切で、蛍光色なんかは特に寿命が短い』なんていう話を聞いたことがありました




今回知ることになったスイッチ部分とストラップホールの不良、どこに原因があったのでしょうか…





10/19 追記

TGR(TetonGravityResearch)のHPにも記事が書かれていましたのでリンクを貼っておきます




11/3追記

先日このブログをFBで紹介したところ、秀山荘時代と八甲田時代を通してのお付き合いがあるゲストの方から『自分のビーコンも買って間も無く不調になった』との情報がありました





購入後わりと新しいうちにロックボタンにクラックが入ってしまい、送信モードにして他のメンバーと行動開始前のチェックを行ったのに、行動しているうちにスライドスイッチが動いてしまい送信モードから受信モードになってしまったそうです




添付したのは《不良交換前の写真》とのことで送ってもらったもの


南京錠のマークの左側に、縦にクラックが入っているのがわかります




こうなるとロックする力が弱くなってしまい、右側のスライドスイッチが簡単に動いてしまいます




個人的見解として、このボタンが左側部分とくっついている長さが短いために、スライド方向にかかる応力に耐えられずにクラックが入ってしまうのではないかと思います




せめて、台形の形状が左右逆転していたら《クラックが入る》というトラブルは防げたのではないかと…




たぶんホルスターに出し入れするときにスライドスイッチとベルトが干渉してしまい、その動きがロックボタンにストレスをかけてクラックを発生させてしまうのではないでしょうか…




ちなみに写真を送ってくれたゲストさんは、ビーコンチェックをしたあと行動している最中にビーコンから断続的な音が聞こえたそうです (つまり受信モードに入ってしまい、他のメンバーの電波に反応していた) が、まさか自分が受信モードにしているとも思わず、そのまま無視して行動を続けてしまったそうです




何もなかったからよかったけれど…




ただ、これって誰にでも起きうることなんだよなぁ。。




最初にリンクを貼った記事が、まさにそのパターンだったんだと思うんです




で、写真を見る限りでは樹脂と色素の相性は原因ではないように見えます (これが蛍光色だと樹脂の強度そのものに問題があることも考えられる)




その他、《ボタンを押し下げるストローク量が少なすぎる ➡️ ミスリリースしやすい》等の情報も出てきていますが、そんなことよりもロックできなくなるのは致命的です




純正ホルスターはかなりキッチキチなので、自分はビーコンをコンテラのチェストハーネスに入れたりオーバーパンツの腿のポケットに入れたりしていますが、ロックが効かなければ《ボタンを間違って押してしまうリスクがゼロ》だったとしても勝手にモードが変わってしまう、ということになります




最新のモデルはデザインが一新されロックボタンのシステムも変わったようですが、該当モデルを使っているユーザーの場合、かなりこまめにスイッチ部分をチェックする必要がありそうですね






11/13追記


現在、日本国内のPIEPS製品の正規輸入代理店となっているロストアローから正式アナウンスが発表されました



それによると、点検して有償修理が必要な場合は依頼があれば対応する・指定された新製品に定価の60%で有償交換する、ということのようです



 ロックボタンの形状に問題があるとすれば、修理したところで(たとえ新品交換しても)結果は見えてると思うんだよなぁ。。




本国ではどういう対応になってるんだろ…



で、リンクはこちらから。

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