- 司馬 遼太郎
- 風神の門 (上)
梟の城に続き、司馬遼太郎の忍者者を読んだ。
関が原の戦いが終わった後、豊臣家が滅びる大阪の役に
かかわる伊賀忍者、霧隠才蔵が主人公。
数々の美女に好かれ、歴史の風雲で活躍するさまは
ある意味、島耕作を思い出した。
ていうか、なんでモテ過ぎちゃう??(笑)
主人公才蔵の、誰にも屈せず
ただ己の技術のみを武器に生きる姿勢は、
現代のビジネスマンの会社組織でなく、
仕事や個人主義に生きる生き方に通ずるものがある。
昭和三十年の日本はもちろんそんな生き方は
ほんの一握りだったようだが、
大衆にとってはそういう希望もあったというのが驚き。
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幸村は、男はたれでも、自分の才能を世に問うてみたい本能を持って
いる、といった。男が世に生まれて生きる目的は、衣食をかせぐためで
なく、その欲を満たしたいがためだ、ともいった。
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この気持ち、すごいわかる。
個人的には話の面白さ、時代設定、シリアスさから
「梟の城」のほうが好きだが、真田十勇士や猿飛佐助など
楽しめる内容。