大盗禅師/司馬 遼太郎 | MovingPlanet(惑星ブログ)~時をかける物語旅行~

MovingPlanet(惑星ブログ)~時をかける物語旅行~

本、漫画、映画、音楽などの感想。
心が動いたポイント、物語の時と場所、作品同士のつながりを記録。

司馬 遼太郎
大盗禅師

「江戸幕府初期、由比正雪の乱と

明帝国の再興を目指す鄭成功が結び付けられ、

日本と中国を舞台にした、最後の司馬幻術小説。」

・・・正直、司馬 遼太郎の作品の中では

けっこうマイナーと思われる。


しかし、これはとんでもない異作だ。


常日頃、人物の心をいかに描けているかが

作品のポイントの1つだが、

この小説はすごい。


浦安仙八の登場人物への

評価が物語の展開とともに変わっていき

自分への自己認識も変わるというものだ。


群像劇といおうか、

いったい誰が主人公かわからない。


この作品は司馬 遼太郎

全集への載録を拒んだという

曰くのあるものだが、

むしろ人間を生に描いていると思う。


と書いていたらこのブログ で、思想小説として

「思わせられている」という記事があり、

なるほどいわれてみるとそういう

見方もできるなと。

・・・完全に快楽小説として読んでた。。。(汗)


まーいろんな読み方があるが、

とにかく一読の価値アリ。


タイトルの大盗禅師 が主人公というわけでもなく

由比小雪、鄭成功たちを軸に話が展開していく。