今週のもう一本!「罪人たち」(25年) | プロレスライター新井宏の「映画とプロレスPARTⅡ」

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週刊プロレスモバイル連載「週モバロードショー~映画とプロレス~」延長戦!

 途中でジャンルがガラリと変わってしまう構成は、クライムサスペンス調からスプラッターホラーへと急転換する『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(96年)がモチーフであることは明らかだ。だが、この『罪人たち』のジャンルはいったい何なんだろう? 『七人の侍』的な人集めから始まり、ライブ映画、そしてバンパイアホラーへ。大きく分ければこの3部構成となるのだろうが、意外と歯切れもテンポも悪く、爽快感、カタルシスに欠ける。確かにいろんな問題定義がなされていてライアン・クーグラーの演出はすごいのだけれど、最終的にホラーに分類されるのには抵抗がある。しいて言えば、ブルース音楽へのレクイエム? それにマイケル・B・ジョーダン、べつに一人二役でもよくねえ? いずれにしても、この作品はIMAXで見るべき価値がある。そこが最大のいいところだ。