新作映画「ミスター・ガラス」続編 | アーチストの歓喜

アーチストの歓喜

夢と現実のはざまで


M・ナイト・シャマラン監督は一時低迷していた
しかし低予算で製作した前々作『ヴィジット』や
多重人格を描いた前作『スプリット』などで、復活した

今作を含めて、世界中でヒットしているらしいが
この三作品とも自己資金(シャマラン監督が全額自費)で製作した映画
家を抵当にいれるなどリスクを伴っており、
シャマランの覚悟が垣間見えるし
何より自分の作家性を出すための処置みたいだ

エンタメ映画として会社の言うことを聞いても
映画として質が下がることを知ったからだろう
その作家性が、まさかの『スプリット』と
19年前の『アンブレイカブル』をくっつける続編として登場するとは

しかもブルース・ウィ リス&サミュエル・L・ジャクソンが再び共演
まさに友情の賜物といえる
ブルース・ウィリスの演技は、静の演技として落ち着きを与え
またサミュエル・L・ジャクソンのイッた演技は、怪しさを加え
何よりジェームズ・マカボイの多重人格の演技は
前作より厚みを増した動の演技として進撃
まさに演技合戦なのだけど、何よりこれは
M・ナイト・シャマラン監督の映画であり
それはいちいち画角や絵作りにも表れている

物語としては、「スーパーヒーローは人間」の中にあるという
最近のスーパーヒーロー映画へのアンチテーゼ
だから超人的でありながらも、彼らは
弱点もある人間として存在する
完全悪でも完全善でもない、というのが
DCコミックやマーベル映画を断ったというシャマランだからこそ
賛否両論あるだろうが、作家性のある自主製作作品

★★★