説明不要。アクション、コメディ以外も製作できる香港映画の凄さ

 

1987年の日本で初劇場公開され、”香港ノワール”という新しいジャンルを作った作品です。

当時、ブルース・リー、ジャッキー・チェンなどのカンフー・アクション、マイケル・ホイなどのコメディが主流であった香港映画において香港マフィアを題材に制作され、香港映画の底力を本作を通して証明しました。

 

さて、本作は、その後、ハリウッドにも進出するジョン・ウーが監督しており、香港マフィア界の偽札作りを舞台に男たちの友情、裏切り、兄弟愛、親子愛、夫婦愛等を作品に散りばめた遊びシーン無しの秀作でした。マフィア映画の為、好き嫌いは大きく

分かれるかと思いますが、少なくとも私は初回日本公開時の劇場鑑賞時は、あまりのクオリティの凄さ、登場するキャラクター達の格好良さに衝撃を受けました。

 

さて、本作は日本での劇場公開後は、リバイバル上映やDVD化などで市場に出回っていますが、2年ほど前4Kリマスター版として久しぶりに劇場公開されました。

ストーリーは、オリジナル版と同じで4Kと言われても「それほど綺麗か?」と思えるものでしたが(笑)、何度も鑑賞した作品にも関わらず、初めて鑑賞した時の衝撃を思い出しました。

 

マフィア映画の為、もしかしたら初観の観客からは「(作風が)古い」や「演出粗い」などの意見も出てくるかもしれませんが、最近では当たり前になったCG等を一切使わずに物語と俳優陣の演技、そしてよく撮影許したなと思える爆発シーン等古き良き映画を確認できる作品かと思います。

 

前述の通り、香港映画といえばジャッキー・チェンに代表するアクションまたはマイケル・ホイを主流としたコメディしかないと思われてましたが、本作の登場で「香港映画はドラマも作れる」を証明した記念碑的な作品であるのは確かです。

 

本作のヒットで続編や類似作品、韓国等他国でのリメイクなど次々と登場していますが、本作がダントツで一番です。

 

【1986年/香港(現中国)】

【ジャンル】アクション

【出演者】チョウ・ユンファ ティ・ロン レスリー・チャン 他