主演の老人と主題歌を歌う歌手が同一人物とはみんな知っているのだろうか?

 

長野県の集落に暮らす作家の一年を料理を通して静かに時が流れる日々を描いた作品です。

まるでドキュメンタリー映画を観ているようでスクリーンに映し出される映像が全て自然で作品を観ながら穏やかな気持ちになりました。

 

作家が作る料理は高級フレンチで無ければ、我々が食べ慣れたファーストフードでもない。作家が毎日、家の周りの自然と相談して決めた献立を作ったもの。家の周りで採れたお米と野菜だけで、映像だけで”美味しい”とわかるものが作れるとは驚きでした。

 

また、料理だけでなく作家をはじめ作品に登場人物達の食事をするシーンで流れる租借音もなぜか耳に心地が良い。実際、人里離れた山間集落で住むということは自然との調和に加えて、都会で普段使えるライフラインがそう簡単に使えないなど大変な面も多々あるかと思いますが、スクリーンに映し出される作家が毎日楽しそうに野菜を収穫し、料理する姿を観ると都会に住む人にはわからない豊かな生活があるんだろうと思います。但し、この作品を観て、即、田舎暮らしを決めるのは違うと思いますが(笑)。

 

主役の作家を演じるのは沢田研二。50代以上の方なら御存知の”ジュリー”の愛称で知られた70年代から80年代初頭に人気を博した歌手。当時の姿を知る人からすると年老いた作家を演じるのは違和感があるかもしれませんが、本作での沢田研二は自然で

日々を楽しむ作家を好演しています。

驚くべきは、エンドロールに流れる歌を歌っているのも沢田研二。年老いても当時の甘い声で奏でる歌は健在。

ジュリーは、歌手でもまだまだ現役でした。

 

【2022年/日本】

【ジャンル】ドラマ

【出演】沢田研二 松たか子 他

 

 

 

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