アクション映画を支えるもう一人の主役のドキュメンタリー
ブルース・リー、ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポ―、ドニー・イェンなど香港が誇るアクションスターの数々。
彼らの映画のメインディッシュである数々のアクションシーンを陰で支えたのが多くのスタントマン。
本作は、香港アクション映画に携わったスタントマンたちのインタビューと過去の作品のアクションシーンにより構成されたドキュメンタリー映画です。
80年代のCG無しの生身のアクション映画の映像を観て改めて驚きを感じると同時に懐かしくもある反面、インタビューで話される当時の苦労話しや学歴無く「”それ(スタントマン)しか”選択肢が無かった」などのスタントマンたちのコメントを聞くと非常に複雑な気持ちになります。
70年代、80年代とアクションを中心に香港で映画を量産していたショー・ブラザーズとゴールデン・ハーベスト。それらの二大大型スタジオが現在は存在しないことを知り、驚きました。
消滅の原因として本作では多角経営の失敗とのことでしたが、果たしてその原因はそれだけなのでしょうか?
香港映画界が作品と主演俳優だけに注力するのではなく、陰で支えるスタントマン達の保障、支援に努めていたら、今のCG一辺倒の映画界にならず、業界は今も独自の映画文化を作り今も隆盛を誇っていたのではないか?と本作を観て考えさせられました。
映画に関わらず、1つの作品、成果を作る為には、特定の人だけではなく関わる人々全てが喜ぶ仕組みを作らないといつかは滅びるということを本作で学ぶことができます。
あ~、また「プロジェクトA」観ようかな。
【2021年/中国(香港)】
【ジャンル】ドキュメンタリー
【出演】サモ・ハン・キンポ― ユエン・ウーピン ドニー・イェン ユン・ワー マース 他
映画『カンフースタントマン 龍虎武師』公式サイト (kungfu-stuntman.com)