家族が選択する安楽死。それを尊重するか?それとも違う選択肢を提示するか?いまだに答えがわからない

 

フランス映画らしい観客への問いかけ作品です。

 

人生を謳歌していた85歳の父親が脳卒中で倒れ、身体が不自由になり娘に求めたのは人生の終わりの手助け。

安楽死を支援する国、団体を見つけ交渉、調整を行う娘。決して良い父娘関係ではなかったものの、父親の選択に対しては複雑な

想いを持つ娘。

 

リハビリを続け、体調、気力も回復に向かう父親に安楽死の選択肢を撤回するのでは?と期待していたものの、安楽死の期日まで

決めている父親。

 

エンディングシーンでの娘の表情、彼女のセリフから、「一体彼女はどこまで父親の選択、自分の思いを消化したんだろうか?」とつい思ってしまった。

 

オランダをはじめ数か国で合法化されている安楽死。日本ではまず聞かないこのテーマを同じく合法化されていないフランスを舞台にした本作を観て、家族、友人はじめ安楽死を求めた場合、自分はどう判断するのか?するべきなのか?を考えてみたものの、いまだに答えがみつかっていない。

正しい判断は、選択した本人の意思を尊重するべきだと思うものの、残されたものとしてはそう単純には整理できない。

ただ、残されたものが本人の意思に対して口出しするのは単なるエゴなんだろうか?よくわからない。

 

そう考えると本作のタイトルは、安楽死を選択した父親の思いなのか?それとも娘の思いなのか?

 

本作の主演は、フランスの大女優ソフィー・マルソー。オーバー50の人はアイドル女優としての印象が強いものの、いまでは

フランスを代表する女優になっています。

【2021年/フランス】

【ジャンル】ドラマ

【出演】ソフィー・マルソー アンドレ・デュソリエ シャーロット・ランプリング 他

 

 

映画『すべてうまくいきますように』公式サイト (ewf-movie.jp)