トレーニングシーンは結構リアル。ただ、試合のシーンはリアルではない
本作の舞台となる北九州で先行上映した時には某サイトでの評価が非常に高く、出演者を見ると何気に豪華。少なくともミニシアター系映画とは思えない出演者。
テーマはシングルマザーのボクシング物語。ストーリー以前にテーマに興味を持って鑑賞しましたが、悪い映画ではないものの
高評価映画とは思えなかった。
シングルマザーの描き方は、リアルといえばリアル。一方で「生活保護受けれないのかな?」という疑問を持ちました。このあたりのシステムが詳しくなく、もしかしたら「生活保護受けたら、(直接生活に関係無い)ボクシングできなくなる」かもしれませんが、ギリギリの生活をしている親子に対して国が支援するシステムがないのであれば残念な世の中と思わざる得ない。
実際はどうなんでしょうか?
肝心のボクシングのファイトシーンやトレーニングシーンは、結構、リアルでした。が、試合のシーンでお互いにボコボコに殴り合っているのに目尻のカットと少しの青タンはちょっとあり得ないもので、作品にリアリティを追求するのであれば「ロッキー」
の1作目のラストシーンぐらいしないと観客に伝わらないのでは?と思います。
主演女優の朝比奈彩が綺麗な顔をしているので演出側も結構勇気いるかと思いますが、「ここまでするか?」と観客への伝わり方は変わってくるかと思います。
ところでヒロインに敵対する松下由樹演じる義母ですが、お約束のヒロインをいびり倒す典型的なヒールではなく、考え方も非常に理路整然とし感情に流されず何を優先すべきかを考えられる常識人です。発言の全ては非常に常識的です。
また、朝比奈彩演じるヒロインはボクサーですが、普段は戦闘キャラでなく、こちらもまともな常識人です。
お互い人の話が聞けるキャラクターです。その為、常識人同士の二人がなぜ作中仲違いするのか?疑問です。解決策は、作品に描かれているだけでなく別にあるように思えました。
舞台が東京や大阪などの大都会ではなく、地方都市の1つである北九州。地方創生映画と言っても全く違和感なく、無名なローカル俳優を起用して製作してもおかしくないものですが、豪華なキャストに加えて主題歌は岡本真夜。
どのような方法でキャスト、スタッフを集めたのか?非常に気になるポイントです。
【2022年/日本】
【ジャンル】ドラマ
【出演】朝比奈彩 市原隼人 松下由樹 佐々木希 観月ありさ 他