生身のアクションで製作して欲しかった

 

庵野秀明が製作するシンシリーズの1作。

本作は石ノ森章太郎が生んだ昭和のスーパーヒーローでいまだに人気のある仮面ライダーのオリジナルストーリーを庵野秀明的に解釈して作られています。

 

そもそもシンシリーズは、「実際の世の中にあのスーパーヒーローや怪獣がいたら?」をテーマに制作されたものと理解していたものの、本作についてはあくまでもテレビ放送された仮面ライダーの延長線にあり、多分、石ノ森章太郎の原作ファン、庵野秀明ファンには刺さるもののライトなファン層や「シン・ゴジラ」を観て期待して鑑賞した観客にはかなり疑問が残った作品と思われます。

大人が唸る作品を期待してものの、その内容は荒唐無稽で勧善懲悪をフォーマットに作られた仮面ライダーの複雑なストーリー展開の為か「なぜ仮面ライダーは怪人(本作ではオーグ)と戦うのか?」疑問に思うエピソードが多かったです。

 

また、仮面ライダーといえば生身にアクションが売りの1つですが、蓋を開けるとCG多用で見せ場の1つのオートバイシーンも

一部CG丸わかりのものもあり、非常にがっかりしました。

その後、話題になったNHKによる本作の製作の裏側を描いたドキュメンタリーを観ると舞台裏のゴタゴタが理解できましたが、やはり生身のアクションでしょう、少なくともCGとわからない配慮はして欲しかったと思います。

 

上映前のキャスティング発表や意味深なポスターから期待が大きかっただけに残念な作品でした。

なぜこんな作品になったのか?また、監督の庵野秀明は作品のクオリティに満足しているのか?実際のところどうなんでしょうか?

【2023年/日本】

【ジャンル】アクション
【出演】池松壮亮 浜辺美波 柄本佑 他

 

『シン・仮面ライダー』公式サイト (shin-kamen-rider.jp)