製作者側が描いたアントニオ猪木像
2022年に逝去したプロレス界のスーパースターアントニオ猪木にスポット
ライトを当てて関係者からのインタビュー、過去の映像に加えてアントニオ猪木
に影響を受けた人々のドラマにより構成された作品です。
まず、ドラマの部分ですが107分と短い上映時間に差し込むのは少々無駄なパート
で、観客はこのパートに時間を割くのであればインタビューや過去の映像を鑑賞したかったのではないか?と思います。
また、関係者のチョイスが「なぜこの人?」という面子が多く、オカダ・カズチカや
海野翔太など猪木とほぼ絡みの無い現在の人気レスラーのインタビューには違和感しか残らなかったです。
本来であるならば昭和の猪木が一番ギラギラした時代の日本人レスラーや外国人レスラーのインタビューで構成するべきでしたが、藤原喜明を除いてそれに該当するレスラーの生の声が本作で聞けなかったのはタイトルである”探して”から考えるとかなり
期待値の下がる内容であったのではないでしょうか?
個人的には、猪木全盛期の懐刀でくっついては離れてを愛憎劇を繰り広げた新間寿のインタビューは真のアントニオ猪木の姿を作品を通して描くのであれば必要であった
と思います。
意外ですがファン目線で猪木の魅力や素朴な疑問を語っていた安田顕や神田伯山のパートは面白かったです。
全編のナレーションは、福山雅治。担当した理由はエンディングで流される映像でわかります。
【2023年/日本】
【ジャンル】ドキュメンタリー
【出演】アントニオ猪木 棚橋弘至 オカダ・カズチカ 他