奇跡の教育 奇跡の子供たち
黒柳徹子の幼少時代を学校を舞台に描かれた人気小説のアニメ化作品です。
小説は約40年前に出版され人気を呼びましたが、なぜ、今になって改めてアニメ化、それも映画館で上映されたのか?に興味を持ち鑑賞しました。
時代背景は第二次世界大戦突入前の日本。現在以上に画一化を求められる時代で本作に登場する幼少時代の黒柳徹子、”トットちゃん”は落ち着きのない子供で通っていた学校でも煙たがられます。今の日本もそうですが、みんなとちょっと違う、かなり違う人は爪弾きにされ、”トットちゃん”の言動、行動は”個性”として尊重されず「普通とは違う」と烙印を押されます。
そんな彼女がたどり着いたのが本作の舞台となるトモエ学園。
トットちゃんのような子供達が多く通う学校で個々人の個性を尊重してくれます。
まず、ここで私は驚き、感動しました。昨今のような「個性を尊重しましょう」という意見が徐々に出てきた現代ではなく、画一化を求める時代です。そこで異なる個性を尊重し、育む教育現場があること、それを運営している先生たちがいたことを信じられませんでした。作中にも登場しますが、学校を、子供達をからかい、揶揄し、批判するシーンが登場します。それらに対して先生たち、子供達は俄然戦います。まさに奇跡の教育現場、奇跡の子供たちです。
仮にこの教育現場が無ければ希代のテレビスター 黒柳徹子は世に出ず、「徹子の部屋」もなく「ザ・ベストテン」や「世界ふしぎ発見!」も違った番組になっていたことでしょう。そう考えると我が国日本は多くの才能を潰してきたかもしれません。
発刊から約40年。なぜ今の時代に本作が劇場でのアニメ化がされ、世に出たのか?
我々への問いかけかもしれません。あなたはこの作品を観てどう思うでしょうか?
【2023年/日本】
【ジャンル】アニメーション
【出演(声優)】大野りりあな 役所広司 小栗旬 杏 他