ダメな組織(国)の原因がよくわかる

 

韓国で行われた民主化運動”ソウルの春”の終焉を示すチョン・ドゥグァンを中心に結成される軍反乱軍とそれを阻止する為に戦うイ・テシン首都警備司令官たちの戦いを描いた作品です。

 

最初に史実の基づいたフィクションの文字が登場しますが、実際に起こったエピソードも多く描かれているようです。

鑑賞後は、複雑な気持ち、切ない気持ちに陥りました。民主化が国、国民にとっての絶対的な正解でないかもしれないですが、一人の独裁者による国の運営は間違いであり、本作ではチョン・ウソン演じる首都警備司令官が絶対的な不利な状況でも国の為、国民の為に戦います。

 

但し、彼の戦いは協力者はいるものの、本来支援しないといけない軍上層部が「自分が一番大切」、「国の危機にも事なかれ主義」といった無能な面々ばかりで、組織を潰すのは無能なリーダーを配置すれば簡単であることが、作品を通してよくわかります。

 

鑑賞後、本作で描かれている戦いの後に、光州事件が起こると思うと当時の韓国国民は、明日への希望と絶望の間で複雑な思いで日々を過ごしていたと思うと何とも言えない気持ちになりました。

 

この作品は、韓国で起こった悲劇ですが、どうもこの作品が他人事のように思えませんでした。

例えば、政治家(首相ではない)、会社であえば役員(社長ではない)が、本作で描かれている事なかれ主義の軍の上層部のようで

あれば、国や組織が崩壊することは簡単で、それが近い将来起こってもおかしくない話です。

 

政治や会社、または学校などで上層部を任命できる人は少ないかもしれませんが、指摘することはできるのではないでしょうか。

無関心であることが一番の悪かもしれません。

 

【2023年/韓国】

【ジャンル】ドラマ

【出演者】ファン・ジョンミン チョン・ウソン 他

 

 

 

映画『ソウルの春』オフィシャルサイト (klockworx-asia.com)