ロイヤル劇場 | やまちゃんの映画館ブログ

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ごく普通のサラリーマンが、全国にある単館映画館のご紹介をするブログです。是非ご覧ください。

お正月より年末の時間が好きな山田です。

お正月に入ると、もうすぐ会社に行かなければというサザエさん症候群になるからでしょうか。

 

ここ数年コロナの影響で遠出の映画館は極力控えていたのですが、行動制限がなくなった年末、以前から行きたかった岐阜の『ロイヤル劇場』へ行ってきました。

 

 

この映画館、デジタル上映が一般的になった今では貴重なフィルム上映の映画館です。(常設でのフィルム上映映画館は、横浜の『シネマノヴェチェント』とここくらいじゃないかな)

 

ところで、私が映画館に行く時のルールが我が家にはあります。それは...。

すべて自分の小遣いの範囲で映画を見に行くこと。

自宅のある新百合ヶ丘からこの映画館への往復を乗換案内で見てみると、新幹線代を含め22,000円(ちょっと厳しいな)

そこで、今回の交通手段は、青春18きっぷ(12,050円)を購入してすべて普通列車で向かい、さらに使った翌日金券ショップで売却するという方法。これなら、往復5,000円程度で行けるはず!(おじさんになると、青春18きっぷという名の切符を購入していいのかためらいがあるのですが)

 

普通列車で岐阜に向かうには、節約の代償として当然それだけの時間もかかるわけで、始発から2本目の5:20の電車で5回乗換て岐阜駅に着いたのは11:34。約6時間かけての到着です。

 

 

岐阜駅には、今から30年くらい前に一度行ったことがあります。

かすかな記憶では、駅の近くには踏切があってもっと小さな駅だったように思います。今では、高架化された大きな駅になったんですね。

 

 

この岐阜駅周辺は、先月6日に「ぎふ信長まつり」で一躍有名になりました。

来年1月27日公開の「レジェンド&バタフライ」のPRで、信長役のキムタクが騎馬武者行列に参加して、46万人の人出となったそうです。岐阜市民が40万人に対して、46万人が集まるって、キムタクの集客力ってすごいんですね。

画像は、騎馬武者行列の道から一つ右のメインストリート「長良橋通り」ですが、年の瀬の人通りはまばらでした。

この道を駅から北へ15分ほど歩くと、「柳瀬商店街」というアーケードの入り口があって、ロイヤル劇場その中にありました。

 

 

ロイヤル劇場は、商業施設ビル「柳ケ瀬ロイヤルビル」の4F。上方の昭和銀幕スターの手書き看板がいいですね。

右側にはガメラとゴジラが国会議事堂を挟んで対峙。通路の照明が少し薄暗く、昭和の雰囲気を演出しているのでしょうか。

 

この映画館を最初に興味を持ったのは、2018年12月の日本経済新聞の映写機を止めるな!という50年以上映写技師を務めている、橋本義信さんの記事を読んで。2000年代に入って、フィルム映画はどんどん廃れましたが、今でも現役でフィルム映写技師を続けていることに感銘を受けました。

 

 

このビルは映画館の他、1Fがテナントのお店、2階にテナントの喫茶店、3Fレンタルスペースの「ロイヤルホール」になってました。

看板の上に書かれている「まちなか活性化活動拠点」というのは、市民の方や来街者、まちづくりの担い手、テナント入居者などが集い・交流することで、新しいコンテンツが生まれ、まちの魅力を高め、エリア全体にその魅力が広げることを目的とした施設と紹介されておりました。こういう拠点が街にあるっていいですね。

 

 

1Fの展示スペースには、昔使われていた映写機の展示。画像では見づらいですが、昔の映写機の原理がパネルで紹介されてます。私は知らなかったのですが、昔の映写機はスクリーンに画像を映し出す投光機にカーボンが使われており、電流を流してスパークさせてその光を投光に使っていたそうです。溶接のようなことを映写室でやっていたんですね。

 

 

本日の上映作品は、「必殺!Ⅲ 裏か表か」昭和61年公開の作品です。

子供のころ、父親がテレビ放送していた「必殺仕事人」が好きで、私もよく一緒に見ていました。

入場料600円って安いですね。金額も昭和の名画座料金です。1日3回の上映で、12:20分の回を見に4Fへ通路奥のエレベーターで上がります。

 

 

この建物は、1977年建設なので45年目の映画館。少し薄暗い蛍光灯の照明で、昭和の雰囲気が残っています。

前身は、大正15年に設立された「演技座」と紹介されてました。

受付の横には売店があって、スナック菓子のレパートリーが豊富です。駄菓子も150円で販売されてます。

 

 

ピンボケ写真になっちゃったけど、ロビーは広いですね。

このロビーには、昔の岐阜周辺の映画館情報が紹介されており

 

 

 

柳ケ瀬(岐阜市の繁華街)の映画館100年の歴史、貴重な岐阜映画館の変遷表です。時代の移り変わりの中に29の映画館があったんですね。

現存する映画館は黄色くマーキングしてある3館だけになっており、その内の1館が『ロイヤル劇場』です。

 

 

昭和の映画館だ!ちょっと古びた座席がいいですね。全席自由席も昭和のルールそのままです。「ブルーライト横浜」など昭和の歌謡曲がBGMで流れてます。

劇場内広いですね。298席と書いてありました。

 

 

映写室の2台の35mmフィルム映写機が見えます。フィルム上映の映写音を聞きたくて、後方の座席を選びました。

年末とはいえ平日の昼間の上映なのでお客さんは15名、私よりご年配の仕事をリタイアされたであろう方がほとんどでした。

 

映画上映中、「笑っちゃうな!」なんて声を発するお客さんもいて、そういえば昔の映画館ってそんな人大勢いたななんてことを思い出して観ておりました。36年前のフィルム上映なので、画像も所々チラチラしてますが懐かしさを感じます。

何といっても600円でこんなに楽しめる所ってそうないと思います。昭和レトロをこよなく愛する私は近い将来また必ず行こうと決めました。(家族の理解を得られれば...ですが)

 

今年も今日で終わり。今年は『岩波ホール』の閉館や『ギンレイホール』の(閉館・移転?)など都内老舗映画館の閉館が続いてしまったけど、一番ショックだったのは沖縄の『首里劇場』の閉館でした。お元気だった金城館長に「今度来たら、顔パスで入れてくれる」って言ってくれてたのに...。謹んでお悔やみ申し上げます。

 

手帳を見返して今年公開の楽しめた映画は

【洋画】

1.「ウエスト・サイド・ストーリー」

  リメイクされたブロードウエィミュージカル。スピルバーグ演出のカメラワークがミュージカルを盛り立てた。

  大きくストーリーを変えなかったのが良かった。

2.「コーダ あいのうた」

  聾唖家族を明るく描いた作品で、万人受けすると思う。「愛は静けさの中に」で大好きだったマーリー・マトリンが下品な母親役になっていたのがショックだった。

3.「トップガン マーヴェリック」

  10年以上前からの企画が実現し、前作以上に面白かった。トム・クルーズが頑張っているとおじさん世代も勇気づけられます。今は亡きトニー・スコットが演出していたらどうなっていたかな。

4.「わたしは最悪」

  題名は最悪だけど、映画は最高です。カンヌで女優賞を受賞したレナーテ・レインスベがとても素敵な女性を演じてました。

5.「クライ・マッチョ」

  クリント・イーストウッド主演・監督の家族をテーマにした物語。監督50周年、いつまでも元気で映画を撮ってほしい。

 

もうすぐ2023年、来年も皆様にとって良いお年でありますように!

 

【ロイヤル劇場】

観賞日時:2022年12月28日 12:20

観賞映画:『必殺!Ⅲ 裏か表か』

住所:岐阜県岐阜市日ノ出町1-20 ヤナガセ・ロイヤルビル4F
電話番号:058-264-7151

HP: 

 

オープン:1977年12月17日
料金:一般 600円(特別上映作品800円)

会員:あり 

スクリーン:1

上映形態 :名画座
音響:SRD
座席数:298席