ユーロスペース | やまちゃんの映画館ブログ

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ごく普通のサラリーマンが、全国にある単館映画館のご紹介をするブログです。是非ご覧ください。

緊急事態宣言中は、極力外出を控えている山田です。

当然映画館の訪問も控えているので、このブログの更新もあまりできておりません。

早くコロナが落ちついて、誰もが自由な外出ができるようになると良いのですが...。

 

そんな中、昔の職場の同僚から「絶対に見てほしい。」と奨められた映画の上映館が『ユーロスペース』

 

 

この映画館、20~30年くらい前にはよく行ってたミニシアターの草分け的映画館。

その頃は現在の場所ではなくて、渋谷駅南口から徒歩7~8分の国道246を渡ってすぐの桜丘町にありました。

映画プロディーサーの堀越謙三さんが1984年に作られた映画館で、大好きなデビット・クローネンバーグ監督の「ビデオ・ドローム」を観たのも確かここだったように思います。昔は、ユーロスペースシアターって呼んでたと思うのですが名称変わったのかなぁ。

最後に観たのは、やっぱり友人に勧められて見に行った一尾直樹監督の「溺れる人」で、一尾監督からご丁寧に鑑賞御礼のお手紙を頂いたことを記憶してます。

 

 

『ユーロスペース』が移転したのは、2006年1月、場所は渋谷の円山町KINOHAUSビル3F。

このビルの4Fには、『シネマヴェーラ渋谷』という渋谷唯一の名画座が入ってます。ここには以前行ったことがあるのですが、『ユーロスペース』は移転後に訪れたのは今回が初めて。

建物の外観を見ると、コンクリート打ちっぱなしの建物と階段部分の大きなガラス開口が特徴的です。

 

 

KINOHAUSEはドイツ語で「映画の家」。建物は5階建てのビルで、複合映画館以外にも「映画美学校」がB2~2Fに。1Fはカフェが入っています。

 

 

正面がすべてガラス張りのオシャレなカフェ。映画鑑賞の時間調整や鑑賞後の余韻に浸るのに良さそうなお店ですね。

 

 

『ユーロスペース』は、2スクリーン映画館。鑑賞作品と希望座席を告げてチケット(一般1800円)を購入します。

受付はコロナ禍の為、天井から伸びたビニールシートで覆われてます。支払いとチケット受け渡しもトレーの上。

 

 

 ロビーは、直線20m位の広いスペース。この壁に一枚もののカウンターの様な椅子が特徴的です。(これさぞかし高いだろうなぁ)

照明はスポットライトと間接照明を使って、落ちついた感じのロビーを演出してます。

天井は、ボードを張らずにむき出しのまま、開放感があります。

 

 

反対面の壁には、ミニシアター系の作品のチラシ置き場。

この映画館は年会費1000円で1200円で観られる会員制度があり、全国ミニシアター会員相互割引も適用されます。2回以上観るなら、加入がした方がお得ですね。

この映画館飲食売店はないのですが、自動販売機は商業施設なのに100円~で飲み物はとてもリーズナブルです。

『ユーロスペース』は、特集を多く組まれているようで、現在は相米信二監督の没後20年で全作品を公開しております。

 

 

映画上映時間の10分前から入場が開始されます。

入場時は、腕でのデジタル体温測定を行いコロナ対策を行っておりました。

入場時から、予告編の上映が始まってました。

デジタル以外に35mm、16mmのフィルム上映もできるようです。

 

 

 今回は大きい方のシアター2で鑑賞。

場内は9列のひな壇型。舞台も設けられております。

座席はフランスのキネット社製で座り心地も良いです。

ところで、

 

 

今回元同僚に勧められた映画は、2020年3月公開の「ひとくず」

お客さんからのアンコールの声に応えた上映のようです。

監督、制作、脚本、編集、主演と上西雄大監督が一人5役を行った映画。チャールズ・チャップリンのようです。

私はこの映画の公開も、上西監督も知らなかったのですが、児童虐待と育児放棄をテーマにした作品で、何度も涙を流しました。

この映画のストーリーを少しだけ記載すると、小学生の女の子が何日も電気もガスも止まった部屋に一人で閉じ込められ食べ物もまったくない状況で、たまたま空き巣に入った男が女の子を助ける物語。

女の子は、手にたばこをつけられた火傷や、体にはアイロンをつけられた火傷があり、学校では人に見られないように隠している。

そんなひどいこと本当にあるのか?と思いましたが、パンフレットを読むと実際に多くの子供が被害にあっている。と書かれていました。

是枝監督の「誰も知らない」や「万引き家族」も同じテーマを扱ってますが、「ひとくず」は粗削りな部分もあるけど、かえってそれが問題意識を明確に表現していると私は思います。

このテーマが無くなるような社会にするにはどうすればよいか?私たちに何ができるのか?考えさせられる作品です。是非ご覧になって頂きたい作品です。

 

【ユーロスペース】

訪問日時:2021年2月3日11:00

鑑賞映画:「ひとくず」


住所:東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS3F

HPhttp://www.eurospace.co.jp

オープン: 1983年

料金:一般 1,800円

スクリーン:2

上映形態:ロードショー

音響:ドルビーデジタル5.1ch

スクリーンサイズ:2900mm×3973mm スタンダード

座席数:シアター2 145席