塩山シネマ | やまちゃんの映画館ブログ

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ごく普通のサラリーマンが、全国にある単館映画館のご紹介をするブログです。是非ご覧ください。

もうかれこれ2カ月間ステイホームしている山田です。

昨年末、以前から訪れてみたかった『塩山シネマ』が上映していることを知り行ってみました。

 

 

会社が冬休みに入った12月29日、朝小田急線新百合ヶ丘駅からJR横浜線、中央線、中央本線と乗り継いで、JR塩山駅到着は、9時47分。

この日は雲一つない快晴で、周囲の山々がきれいでした。

 

“塩山(えんざん)”というちょっと変わった地名は、塩山駅北口から徒歩20分位の所に標高556m「塩ノ山」(しおのやま)から取られているそうです。この山の塩分濃度が高いわけではなく、周囲は平らで高さが低い山の為、四方から見える山→しほうのやま→「塩ノ山」(しおのやま)が由来だそうです。

この街は、塩山駅ができた1903年以降繭市場として山梨の東部で最も栄えた街だったそうで2005年までは塩山市だったのですが、現在は甲州市となり人口3万人の街です。

 

 

『塩山シネマ』は塩山駅北口から徒歩10分弱。市街地路地の中にある映画館です。

実は、中には入ってないのですが、5年ほど前訪れたことがありました。

その時、映画館って商業地区や商店街の中にあるという先入観で、近くの商店街を結構探した覚えがあります。

奥の方に見える青い建物が『塩山シネマ』です。

 

 

なんでその時に映画を観なかったかというと、『塩山シネマ』は不定期で上映を行う映画館だからなんです。

 

 

10時ちょっと前に、『塩山シネマ』到着。建物全体が青というのが印象的ですね。

創業は昭和32年で今年で63年を迎える老舗映画館。山梨県では唯一の単館劇場です。

建物も色は塗り替えておりますが、当時のままのようです。

 

 

この日の上映は、昨年ヒットした「かぐや様は告らせたい」と「記憶にございません」の2本。

入替え制での上映で、週の上映日は、金・土・日の3日間。

上映開始時間は10時半。30分前の到着だったのですが、私以外のお客さんもすでに入っておりました。

 

 

受付入口で料金を支払う。ロビーの壁も青で統一されてました。

鑑賞料金は800円。上映作品は少し前の作品だけど、安いですね。

お菓子と飲み物も販売していたので、缶コーヒーも一緒に買ったのですが、これも100円。

 

この時いらっしゃったのが館主の渡邊さんで、少しお話を伺いました。

(写真は、お断りして撮らせて頂きました)

 

 

「うちは、劇場の上映と出張映画の2本立てで営業している映画館。ただ、映写機が1台しかないので、出張上映の時に劇場上映をすることはできないんですよ」

なるほど、それで不定期や週末上映という理由が分かりました。

 

写真の映写機は、開業時に使っていた映写機を展示しているそうです。

 

「建物は古いけど、売りは音響設備。デジタルの最新のものを導入しているので他の映画館にも負けない」デジタル上映に切り替えた時は、1000万円以上かかったともおっしゃってました。

 

『塩山シネマ』の過去の上映作品をみると、アニメなどの子供向け作品が圧倒的に多かったので、その理由を聞いてみるとと、

「アニメ作品が多いのは、お客さんの入りが良いから。年末に一般作品を上映するのは3年振りで、ターゲットを中高生に選択してみたけど、結構厳しいね」

中高生の集客は、どこの映画館も苦戦しているとのことです。

 

2階席があったのですが、現在は消防法の関係で、客席は1階のみで営業を行っているとのことです。

 

私以外のお客さんは、高校生らしき友達づれが2組くらいいらっしゃって、高校生にも渡邊さんから声をかけておりました。

 

 

昭和30年代から続く映画館は、懐かしさとノスタルジックを感じさせる異空間。

昔からの映画館は、舞台の奥行が広いのも特徴ですね。

スクリーンの手前には、暖房設備がしっかり装備されてます。

 

 

照明が暗めなのもいい雰囲気です。

BGMなどは流れておらず、ブザー音で上映が開始。

この日のお客さまは、私を含めて7名でした。

 

上映終了後も渡邊さんは、女子高生たちに「映画どうだった?」コミュニケーションを取られておりました。

 

私が訪れた12月末は、まだコロナウィルス問題もなかったのですが、2月の早い段階で、『塩山シネマ』はホームページで休館を伝えておりました。

山梨県は、警戒宣言も解除されましたが、現在も休館が続いているようです。今は、全国商工会作成のホームページも閉鎖されていて再開の状況も判りませんが、「また訪れたい」と感じさせる映画館です。いつまでも続けて頂きたいと切に願います。

 

【塩山シネマ】

訪問日時:2019年12月29日10:30

鑑賞映画:「かぐや様は告らせたい」


住所:山梨県甲州市塩山上於曽1138-1

HP:http://www.shokokai.or.jp/19/enzancinema/index.htm

 

オープン: 1957年

料金:一般 800円

スクリーン:1

上映形態:ロードショー・名画座、出張映画

音響:DSR

スクリーンサイズ:不明

座席数:120席