『新世界東映』 | やまちゃんの映画館ブログ

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ごく普通のサラリーマンが、全国にある単館映画館のご紹介をするブログです。是非ご覧ください。

子供の頃、「睡眠学習器」がほしかった山田です。

「睡眠学習器」なる機械は、枕の中に録音されたカセットテープを夜寝る時にかけながら眠ると、翌日にはその内容を覚えており、テストで良い点数を取れるというもの。

勉強ができなかった私は、中学1年の頃「中一時代」なる雑誌広告に紹介されていた 「睡眠学習器」のキャッチフレーズ「ねている間に差をつけろ これが僕らの合言葉!!」に魅かれ親にせがんだ覚えがあります。(当然買ってもらえなかったのですが)

このいかがわしい機械を販売していた「三井企画」という会社、どうなったのかなぁ。



先月末の姫路映画館の帰り道、「このまま帰るともったいないな」と思って向かった先は、大阪新世界の『新世界東映』





『新世界東映』は、マンションを併設した映画館。元々は東映の封切館だったそうです。

開館ははっきりしないのですが、1980年代に現在の建物でリニュアルして現在至ります。


この建物には『新世界東映』の他、成人映画館『日劇シネマ』 『日劇ローズ』の3スクリーンで営業してます。


『新世界東映』は、ホームページが無く、「Movie Walker」などを見ても“劇場問合せ”になってます。

電話で問い合わせると、次の上映まで1時間ほど間があったので、新世界で時間をつぶすことに。




この日の大阪新世界は、ずっと雨。日中気温も7度とかなり寒い。

「ソースの二度漬け禁止!」で全国的に有名になった「串カツ だるま」を外から覗いていたら、いきなりドアを開けられ「いらっしゃいませ!奥にどうぞ」




大阪商人の勢いに押され中に入る。

「串かつだるま」は以前にも来たことがあって、新世界にはここ「動物園駅前店」を含め4店あります。『新世界東映』から徒歩2分。中生と串カツ5本で、1,200円はリーズナブル。




入口のショーケースには今ではあまり見られなくなった上映作品のスナップ写真が飾られてます。このスナップ写真の下に、その日の上映スケジュールも貼られております。

上映は昼の部、夜の部の2本立て。毎日がオールナイト上映です。



映画館の上方を見上げると、三番叟(さんばそう)が飾られています。

この劇場、前身は能の舞台だったのでしょうか。




2F通路前には、上映中作品と次回上映の作品ポスター。




劇場ロビーは昭和の雰囲気。入場時、自動販売機でチケットを購入。当日券は1,300円。

奥にいる受付のおばちゃんにチケットを手渡すと、入口の場所を告げられ、半券は手渡さず昔よく見かけたチケット用の剣山に突き刺してました。


このロビーには、VHSの成人映画ビデオが販売されてます。




ロビーはいたってシンプルで少し暗い。

この映画館は、途中入場OK、入れ替え無し。






シアター手前のドアには、“女装入場お断り”の怪しい張り紙。

隣の『日劇ローズ』はホモ映画専門館で、ここ新世界は大阪では有名なゲイタウンでもあるようです。一般客への被害を防ぐ為の警告かと思われます。




場内は昭和任侠映画のBGM。

シートには、「大隅アパート」のシートカバー。このシートカバーすぐ近くの『新世界国際劇場』にも使われてました。




『新世界東映』はフィルム上映の映画館。

左右の映写室の窓には2基の映写機が見えます。

デジタル上映に慣れてきた昨今、何度も使われたフィルム上映作品の画質は良いものではないのですが、カタカタ回転する映写機音が、古き時代の映画館を思い起こします。


この日は年配のお客さんを中心に20名程度でした。




大阪のディープな街、新世界。かつては多数の映画館が並んでいたようですが今では、2館のみとなってしまいました。

レトロな街の名画座は、その街を形成する貴重な存在。昭和の雰囲気が好きな方にはおすすめの映画館です。


【新世界東映】

訪問日時:2016年1月29日15:50

鑑賞映画:「狼と豚と人間」


住所:大阪市浪速区恵美須東2-2-8
HP:なし

オープン:1979年 

基本料金:1,300円(各種割引有)

スクリーン:3

上映形態:名画座

音響:DS

スクリーンサイズ:不明

座席数:115席