ダニー・ボイル版「インセプション」
アート競売人サイモンはギャング一味と協力し、
オークション会場から40億円の名画を盗み出すことに成功。
しかし計画外の動きを見せた彼はギャングのリーダーに暴行され、
それが原因で絵画の隠し場所の記憶をなくしてしまう。
リーダーは絵画のありかを聞き出すため、催眠療法士を雇うが・・・という話。
ダニー・ボイル監督によるサスペンス映画です。
主演はジェームズ・マカヴォイ、共演にヴァンサン・カッセルなど。
冒頭のスタイリッシュな強盗シーンから引き込まれました。
てっきりクライム映画かと思いきや、映画は意外な方向へ。
記憶を失った男が、催眠によって過去の記憶を掘り起こすという、
ちょっとSFじみた、ひねった話になっていくのが興味深い。
記憶をさかのぼり、過去の自分の映像を振り返るなど、
独創的な催眠医療シーンはかなり面白く、引き込まれました。
幻覚や、夢、現実がシャッフルされ、境界があいまいになる展開は、
どこかノーラン監督の「インセプション」を彷彿とさせました。
冒頭の強盗シーンがめちゃカッコイイ
催眠療法によって記憶をさかのぼるのが面白い
マカヴォイは「ウォンテッド」といい、痛めつけられる役が似合う
強盗シーンで流れるこの曲がテンション上がる
欠点としては、後半の種明かしシーンで“説明”し過ぎなことと、
全体的に話を複雑にし過ぎなこと・・・もう少しシンプルにまとめてほしい。
あとロザリオ・ドーソンがヒロインにしてはちょっとゴツかった。
「インセプション」のコマを意識しまくったラストシーンもどうかと。
「ビーチ」「28日後」「サンシャイン2057」などのボイル監督作特有の、
“前半面白いけど後半グダグダ”という悪いクセが出ちゃった映画でした。
一風変わったサスペンス映画を探してるなら一応オススメできる作品ですが、
グロがホラー映画ばりにキツイので、そういうのがOKな人はどうぞ。
70/100点