人は嘘をつく。謎解きが魅力、極上の本格ミステリー！！
2020年1月31日公開
監督：ライアン・ジョンソン
出演：ダニエル・クレイグ
クリス・エヴァンス 他
【賛否両論チェック】
賛：王道を行く本格ミステリーなので、その極上の謎解きが痛快で魅力的。主人公のつかめないキャラクターにも要注目。
否：ミステリーに全く興味がないと、さすがに観るのは厳しいかも。上映時間も少しだけ長め。
ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・ほんの少しだけあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は少し怖いかも
本格ミステリーです。資産家が亡くなり、匿名の依頼を受けた名探偵が、事件の謎に挑みます。主演はダニエル・クレイグ。
物語の舞台となるのは、大手出版社の創設者にして、著名なミステリー作家であるハーラン・スロンビー（クリストファー・プラマー）の屋敷。ある日の夜、彼の85歳の誕生日を祝うパーティーが盛大に開かれ、親族一同が顔を揃えます。ところがその翌朝、家政婦のフラン（エディ・パターソン）がハーランを起こしに部屋へ行くと、そこに彼の姿はありません。そこで屋根裏にある書斎を覗いてみたフランは、首を切られて亡くなっているハーランを発見するのでした。
事件から１週間後。スロンビー家で専属の看護師をしていたマルタ・カブレラ（アナ・デ・アルマス）の家へ、１本の電話が入ります。それはスロンビー家からのもので、警察が事件当夜の話をもう１度聞きたいと訪ねてきているとのことでした。マルタがすぐに屋敷へ向かうと、そこにはエリオット警部補（ラキース・スタンフィールド）とワグナー巡査（ノア・セガン）の姿が。ハーランの死は自殺と見られていましたが、エリオットとワグナーは再び集めた親族から、改めて１人ずつ話を聞いていくのでした。
この日話を聞かれたのは、ハーランの長女で不動産会社を経営するリンダ・ドライズデール（ジェイミー・リー・カーティス）と、その夫のリチャード（ドン・ジョンソン）、ハーランの次男で出版社を継いだウォルト（マイケル・シャノン）と、ハーランの亡き長男・ニールの妻で化粧品会社を経営するジョニ（トニ・コレット）、そして最後にマルタでした。しかし全員の事情聴取の間、エリオットとワグナーの他にも１人、ピアノの前にジッと座って話を聞いている男がいました。彼こそが現代の名探偵としてその名を馳せている、ブノワ・ブラン（ダニエル・クレイグ）その人だったのでした。
改めて事情を聞かれたリンダ・リチャード・ウォルト・ジョニの４人には、実はそれぞれにハーランを殺害する動機がありましたが、当然ながら全員がその肝心な部分は嘘をつきながら、事件当夜のことを話します。しかしマルタには、嘘をつくと吐き気を催してしまうという珍しい癖がありました。それを見抜いていたブランは、彼女へ質問をする形で、事件当夜に屋敷にいた全員に動機があることを突き止め、疑惑を深めていくのでした・・・。
まるで絵に描いたような設定から、一癖も二癖もある容疑者達、そしてミステリー好きをも唸らせる本格謎解きと、どれをとっても超一級品のミステリーといって差し支えないと思います。あまりストーリーのことを言うとネタバレになってしまいますので、その衝撃の真実は是非実際にご覧になってみて下さい。
そしてダニエル・クレイグ演じる主人公、ブノワ・ブランのつかみどころのないキャラクターも、本作の魅力の１つです。果たして本当に名探偵なのか、はたまた引っかき回すだけの迷探偵なのか、その真相も是非実際に確かめてみて下さい。
上映時間は少しだけ長めですが、グロシーンもあまりないので、苦手な人でも大丈夫そうです。ミステリー好きは勿論のこと、普段はご覧にならない方にもオススメです。
【ワンチャン・ポイント】
※アナ・デ・アルマス・・・本作では、事件のカギを握る看護師・マルタ役。最近の映画では、ライアン・ゴズリング主演の「ブレードランナー2049」や、ジョエル・キナマン主演の「THE INFORMER 三秒間の死角」等でヒロイン役を務めていらっしゃいます。他にもダニエル・クレイグ主演の「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」にも出演されるそうなので、そちらにも要注目です。
オススメジャンル＆オススメ度・・・＜ハラハラしたい＞Ａ
※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2019」 Amazonにて発売中！！