最後の方に出てくるとあるテロップがあまりに無慈悲過ぎる。そりゃないよ…。

 

9・11テロへの関与が疑われるモハメドゥ・スラヒについて、弁護士側と米軍側それぞれの観点から調査が進んで行き、徐々に共通の事実に肉薄していく様は中々スリリング。そして明らかになる事実がかなり極悪で、スラヒの肉体的・精神的ダメージだけでなく加害者側の疲労困憊ぶりまで追体験できる地獄っぷり。

事実そのものやそれを取り巻く環境・情勢の酷さ(実話)を目の当たりにさせられながらも、観終わった後そこまで暗い気分にならないのは、ひとえにモハメドゥ・スラヒという人物の前向きさや寛大さが非常に大きいと思う。エンドクレジットでスラヒ本人の映像が流れるけど、ユーモアのある明るく穏やかな姿は本当に驚いた。ただ未だに当時の経験からPTSDに悩まされているという事実もあるため、如何ともし難い。

 

あと「シャザム!」のザッカリー・リーヴァイがそこそこ重要な役として出てくるけど、これが中々怖かった。明るい雰囲気や声なのに圧迫感が恐ろしい。