オーヴァーロード

あらすじ/解説
「スター・ウォーズ」「ミッション:インポッシブル」シリーズなど数々の話題作を手がけるヒットメイカーのJ・J・エイブラムスがプロデューサーを務めたサバイバルアクション。第2次世界大戦時、ナチス占領下のフランスの小さな村を舞台に、思わぬ敵と戦うはめになった米軍兵士の姿を描いた。第2次世界大戦下の1944年6月。ノルマンディー上陸作戦が開始された直後、ナチス占領下のフランスに、侵攻作戦の成功を担う重要な使命を帯びた米軍の落下傘部隊が送り込まれる。激戦を潜り抜けて経て生き残った兵士たちは、ナチスの要塞となった教会の塔に潜り込むが、地下にある謎めいた研究所でこれまで誰も見たことのない敵と遭遇する。監督は「ガンズ&ゴールド」のジュリアス・エイバリー。


★3.8/5


戦争+ゾンビ=何でもあり。何も考えずに映画に身を任せれば楽しめる。



監督はジュリアスエイバリー。代表作は『ガンズ&ゴールド』か。知らんなぁ〜。次回作はあのカルト映画の『フラッシュゴードン』らしく楽しみです。

予告も見ずに、ただJJエイブラムスがプロデュースしたという情報をだけを得て劇場に足を運んだわけですが、けっこう面白いじゃないですか!

冒頭の『プライベートライアン』っぽさのある無機質な輸送機の緊迫感、そこからの"OVERLOAD"のレトロなタイトル表記のセンスに期待感が高まる。


そうこうしてる内に集中砲火を浴びて、燃え盛る輸送機から脱出し、海に飛び込むまでの長回しカットがキレキレで格好良い。『プライベートライアン』のノルマンディ上陸作戦の地獄には流石に及ばないが中々の地獄絵図で最高なスタートだ。

それからの内容は、スパイ映画や謎の血清が入った注射器に、ナチスの鬼畜きわまりない人体実験、ゾンビ?フランケンシュタイン?みたいなモノまで登場し、言ってしまえば『バイオハザード』やナチスの超科学を舞台にしたPS4の傑作ゲーム『ウルフェンシュタイン』またはPS3の『レジスタンス』みたいなベタで楽しんだもん勝ちな主人公やヒロインに好都合な展開が、まるでB級映画だ。しかし、それが意外に楽しい。


死んだ仲間に躊躇なく血清を打ち込むシーンは流石に不自然過ぎて強引だなと思わずにいられないが、死んだ仲間が関節を変形させながらゾンビ化していくシーンを観てしまえば、不自然な強引さも許してやろう〜!という気になってしまう程に眼を見張るシーンで素晴らしい。

そしてクロエの火炎放射器ぶっ放し、注射器打ちまくりのガンギマリ強化ゾンビVS漢!ゾンビ化したフォード伍長の大破壊バトル、冒頭に匹敵する長回しを駆使した迫力の大爆破脱出シーンと、終盤は花火大会のクライマックスみたいに畳み掛けるテンション爆上げで最高のフィニッシュをキメる。見事!


それでも観終わって日が経つにつれ、説明不足が気になるし、ナチスはスタイリッシュな軍服を着てない、ハーケンクロイツも出てこない適当なディテール、もっとゴア描写やゾンビ出せ!と不満と欲が募るのも事実。

しかし、これだけの要素が入っていながらもストーリーが足踏みしてないのは好感を持てる。

それにしても、今の時代にナチスゾンビ映画を復活させるエイブラムスの企画力と発想は面白いなぁ。この調子でマイナーなジャンルをどんどんディグってもらいたい。