シャザム!

あらすじ/解説
「スーパーマン」や「バットマン」と同じDCコミックスのヒーロー「シャザム」を映画化。見た目は大人だが中身は子どもという異色のヒーローの活躍を、独特のユーモアを交えて描く。身寄りがなく里親のもとを転々としてきた少年ビリーはある日、謎の魔術師からスーパーパワーを与えられ、「S=ソロモンの知力」「H=ヘラクラスの強さ」「A=アトラスのスタミナ」「Z=ゼウスのパワー」「A=アキレスの勇気」「M=マーキューリーの飛行力」という6つの力をあわせもつヒーロー「シャザム(SHAZAM)」に変身できるようになる。筋骨隆々で稲妻を発することができるが、外見は中年のシャザムに変身したビリーは、ヒーローオタクの悪友フレディと一緒にスーパーマン顔負けの力をあちこちで試してまわり、悪ノリ全開で遊んでいた。しかし、そんなビリーの前に、魔法の力を狙う科学者Dr.シヴァナが現れ、フレディの身に危険が及んでしまう。遊んでいる場合ではないと気付いたビリーは、ヒーローらしく戦うことを決意するが……。シャザム役はTVシリーズ「CHUCK チャック」のザカリー・リーバイ、監督は「アナベル 死霊人形の誕生」のデビッド・F・サンドバーグ。


★3.3/5


DCU7作目のシャザム!は可もなく不可もなく、老若男女関係なく気軽に楽しめちゃうファミリー映画。



監督はデビッド・F・サンドバーグ。『ライトオフ』『アナベル』が代表作。

まず、このシャザム役のジャカリー・リーバイって予告を観た時から思ってたけど、"笑っていいとも"に出演してたミスターマッスルに似てますよね〜。この滑り感とかマッチョ感とか、よく見ると全然似てないけど、パッと見だと似てる気がする。それにしても最近ミスターマッスル観ないけど、何してんだろ?っ思って調べたらエステサロンを経営してるとな!?

ヴィランを演じるのはマークストロング。キングスマンでは教官のマーリンがハマり役だったけど本作のマークストロングは微妙。見た目が普通の人間だから町ブラしているヤバいオッサンにしか見えなくて迫力に欠けたのが残念。


見た目は大人で中身は子供という設定は面白いんだけど、子供ならではの無邪気な残酷さとか自由奔放さが過ぎて取り返しのつかない事をしちゃった的なブラックな笑いが欲しかった。劇中ではギャグやジョークが踏んだんに散りばめられていて笑えるけど、どれも無難というか、健全というか、勝手に『キックアス』や『デッドプール』に近しい笑いを想像してただけに物足りなさを感じてしまう。


そして疑似家族というテーマも、人物の掘り下げが足りてないのに、トントン拍子で事が良い方に進んで行く展開が不自然だし、クライマックスには一緒に暮らしてる子供達が全員ヒーローに変身しちゃうという尺が足りないのか?資金不足か?知らないけど超絶アホな展開にビックリするし、みんなスーパーマン級に強いから決着もあっさりついてしまい味気ない。


アクションは『マンオブスティール』で観たやつで真新しさはなかった。それこそ子供ならではの自由な発想力で戦うとかすれば絶対面白かったと思うし、他のヒーロー映画との差別化も測れて面白かったはず。

内容もギャグも良かれ悪かれ子供っぽさが目立つ本編に対して、エンドロールの出来はめちゃくちゃ良かった。ラモーンズのナイスチューンに合わせてシャザム!のアニメーションが展開される内容は数分であっても見応えがあったし、ちゃんと面白い。しかもセリフなしの絵だけで、これだけ魅せる技量があったんなら、最初からアニメーションで勝負すれば良かったのにと思えるくらいにハイクオリティだった。  

ダークな作風を払拭して面白くなってきたDCUだけど、またしてもダメな方向に転がっていくのか?少なくとも7月に公開されるジョーカーの映画は期待できそう…だが…