はじめに
私たちはふだん、「体は自分を動かす道具のようなもの」と思って生きている。
痛みや不調があれば、病気だと捉え、治そうとする。
健康であれば「問題ない」と判断して、そのまま流してしまう。
でも私はあるとき、自分の体に話しかけたことがある。
そして、返ってきたのは、言葉ではなく、「感覚」だった。
まるで、体がずっと前から何かを伝えたがっていたかのように。
──思えば、もっと前に、私は体の中に入っていくような体験をしていた。
あれは、自分でも何が起こっているのかわからなかった頃。
ただ「助けてほしい」と願いながら、胆のうのあたりに手を差し伸べるようなイメージをしていた。
必死で祈るように、石を砕いて流そうとしていた。
その時の私は、まだ「体の声」なんて知らなかったけれど、
それでも、体は受け取ってくれていたのかもしれない。
体は、ただの肉体ではなかった、という感覚。
そして突然あらわれたイメージ。
その瞬間から、私の中で何かが変わり始めた。
そこには感情が、記憶が、言葉にならない願いが詰まっていた。
そして気づいた。
体は宇宙であり、宇宙は体である。
この本は、私が体の声に気づき始めたところから、
ひとつずつ自分の中の「宇宙」を見つけていった記録です。
体を通して、魂が生きる場所を取り戻していく――
そんな感覚を、ページごとに込めて綴っていきます。
どこかで誰かの、
静かに揺れる“気づき”に届きますように。