眠れない夜だった。
いや、それどころか、感情がどうしようもなく膨れ上がって、もうどこにも置き場がなくなってしまった夜だった。
傷つけられた。
奪われたように感じた。
信じていたものが一気に崩れ落ちて、
私は、どうにか心のバランスを取ろうとして、
いろんな感情を誰かのせいにしてみたり、相手を責めるような言葉を心の中で、いや、実際に口でも吐いてみたりした。
でも、それもすぐに効かなくなった。
結局、どこにも向けられない痛みだけが、私の中に残って、それが私の心をますます痛めつけていた。
そして気が付けば、
「もういいや…」とつぶやく自分がいて、
その言葉が、何度も頭中をループしていた。
そこに偶然流れてきたYouTubeの動画があった。
「神はあなたをわざと一人にした」ーーー
それは刺激的なタイトルだったけど、
その中で語られたある言葉が、私の心を打った。
ーー「あなたはこれまで一時しのぎで目を向けてこなかった心の傷に向かい合うときが来た」
ーー「それは新しい自分を見つけるための、最初のステップである」
私は息を飲んだ。
そうかもしれない。
いや、そうに違いない。
夢中で紙とペンを取り出し、自分の中にある「弱さ」「怖さ」「逃げてきたもの」…
それらをリストにして書き始めた。
・無力なのにそうではないように見栄を張ってきた自分
・人と衝突しそうになると、すぐに負ける自分を想像してしまう癖
・自分が困ることを恐れて、何もしないでやり過ごそうとする心
・信じることが怖くて仕方ないこと
・変わるという希望すら、もう信じられなくなっていること
書きながら思った。
「私は本当に弱くて、とるに足りない存在なんだな」って…
でも、なぜか止まらなかった。
「これをやらなきゃ、この不快な泥沼から抜け出せない」
それしか思えなかった。
眠れない夜をいくつ超えてきただろう。
でも、この夜は、眠れるヨガをやって、深呼吸を繰り返した。
まるで、長く閉ざされた心の扉が、静かに軋んで開き始めた気がした。
あの夜から私は少しずつ、自分を取り戻そうとしている。
一体、いつから私はこの荒涼とした暗闇をさまよっていたのだろう。
自信なんてまだない。
この先、また泣いてしまうかもしれないし、また躓いてしまうかもしれない。
でも、この自分の気持ちを声に出して言うことができたら、少し変われるかもしれないーーーーー
そんな風に、少しだけ思えるようになった。
それが、今の私に見えた、ほんの小さな光で、希望で、始まりだったのです。