林業、防振手袋、省エネ研究[山人 2019]-其の16- | 望創家、蜃気楼が如く

望創家、蜃気楼が如く

夢の引きこもり生活を目指し日々修行中

ひとの数だけ例外あり

「やりたくないことをやっている暇はない」

 

『今回は待ちに待った(誰が?)防振手袋のお話だよ』
 
(※望創家防振手袋。約1,300円のお手頃品。されど1,300円)
(※人差し指と親指に防振材がない分、耐久性が下がるのが難点)
 

世界の、
 
「作業着でも手袋でも[破れたら補修]もいいんだけど、ここまで毎回破れる場所が大体分かってきたのなら、[はじめから]破れそうな箇所は補強しておいた方が結果長持ちするんじゃない?」
 
とドアを押すことしか考えなかった輩が[引く]ことに気づいたかのような発想で朝目覚めたことのある皆さん、こんにちは。望創家ノリです。 
 
 
本日の大分県山間部は曇り晴れ。降りそうで降らない、田んぼは水が取れないと嘆く農家さんが多かったのがついこの間、そして今度は「これでもかぁ〜」と降る日々と思えば、あっと言う間に梅雨が明け…丁度よく降る雨が昨今ではない九州でございます。
 
皆さんの地域は如何でしょうか。 
 
 
『いろんな補強方法を研究しました』
 
(※コストを考え、指先だけの補強もしました)
(※これだけでも大分持ちが違います)
 
 
さてはて、ペーペーの皆さんをはじめ、今夏をどう乗り越えようか考えてらっしゃいますか。
 
 
この時期といえば…
 
「汗」
 
ですよね。
 
 
そして…
 
「ニオイ」
 
気になりますよね。 
 
 
その汗や紫外線により、作業着や手袋(防振)の劣化が進みますよね。
 
 
そんな林業界の消耗品(装備品の)の中で特に[痛い出費の代表選手]といえば…
 
・防振手袋
・安全スパイク付き足袋
・チェンソーブーツ
 
そしてチェンソーパンツが確実にランキング上位にきますよね。 
 
(※チェンソーパンツ:対応年数(品質保持期間)は2年、洗濯回数も決まっています…が、あ、このネタはいつか[林業、チェンソーパンツ、省エネ研究]で書きましょうね!)
 
 
『2年間補修して使い続け、破ける箇所の研究実績を積みました』
 
(※大方指先がメインで破けます。そしてマジック部分がバカになります)
 
 
そしてその中でも[防振手袋]って、地味に懐に痛くないですか。
 
 
林業界では欠かせない伐倒作業に伴うチェンソー作業。その大きな振動によるチェンソーから手を守る[防振手袋]。それは、刈り払い機でも大活躍。
 
 
今年で3年目を迎え、林業ごとの出費を最低限に抑えるための[研究]の1つに、
 
「コスパ最強防振手袋」
 
の確立がありました。 


 
『今日の強化&補修の主役のボンドだよ』 


 
 
今までは、[破れたら縫う(補修)でかなり長く愛用し、手元には…
 
・手のひらや指から防振材が飛び出しすぎたツギハギの防振手袋が3つ
 
・新しい研究用の防振手袋が3つ
 
そしてこのほど[研究結果]の集大成の完成された防振手袋が1つ、と計7つあります。 
 
(※ツギハギ防振手袋3つは現役引退させております。[最強な補修]後に、チェンソー作業以外用に使おうと思っています。地拵えやその他作業用に)
 
現在は研究用の4つの防振手袋をローテで使い回しして、更なる耐久性のデータ収集中であります。 
 
(※コトを大袈裟に誇張して述べさせていただいているのは、紛れもない事実でございます)
 
 
『約3ヶ月、ローテではありますが、全く補強ボンドも剥がれず、指先も穴は空きません』
 
(※画像のボンド補強された箇所の小さな穴は気泡跡です。仕上がりが汚いですが、機能的には問題ないかと)
 
うちの班は3人。
伐倒主任(伐倒専門)の望創家の年間材積は大体1,000〜1,500立米程度。
 
 
伐倒生活に入ると、やはり単純に、
 
「防振手袋の消耗(劣化)が早い」
 
ので、それなりに工夫して、なるべくチェンソー作業以外では防振手袋を使わない努力をしてきました。 
 
例えば、

・地拵え時(鎌使用時)
・ソーチェンの目立て時
 
しかしですね…日々の伐倒生活の中で頻繁に[ソーチェンの目立て]があるので、いちいち防振手袋を脱着させる手間は…なるべくしたくなく… そして[切る(破る)のであります(涙
 
 
単純に防振手袋を切る(破れる)要因の一つは、 
 
「ソーチェンの目立て時」
 
なんですよね…。

 
なので出来れば目立て時は[手袋を変える]ことにより、大幅に防振手袋の持ちを持続させることが出来ます。

そして今回は更に長持ちさせようと…(フフフフ
 
 
『暑い夏の下刈り時の刈り払い機用にも、ボンド補強型防振手袋で如何ですか』
 
(※防振性が若干UPしてる気配を感じます)
 
 
ペーペーの皆さんは、どのくらいの価格帯の防振手袋を使用しておりますか。
 
補修せずにまともに使い続けたら、伐倒シーズンなら3ヶ月で1つは消耗(劣化)しませんか。
 
なので私の場合は、 
 
「3〜5,000円台のは使わない(→買えない)
 
(※頻繁に洗濯するし、ローテのためにはじめから2〜3つ購入するには敷居が高い)


お手頃価格帯の、
 
「1,000円台を好む」
 
で購入しております。
 

たった1,000円、されど1,000円。
 
なるべく長持ちさせたくありませんか。
 
 
そこで長年(※)研究しておりました。
 
(※勿論誇張中)
 
 
『違和感なく握れます』
 

早く発表したくてウズウズしておりましたが、研究実績がないと[信憑性に欠ける]じゃないですか。
 
3〜5,000円台の防振手袋を使用している方にも、もしかしたら通じる[研究ネタ]かもしれませんので、最後まで聞いてやってください。
 
 
まず、私が使用しているのは近所で売っている西山商会の1,300円前後(※)の防振手袋です。 
 
(※ネットでは3,000円近くで売っていましたが…)
 
ハッキリいって、この価格帯の防振手袋は、 
 
・人工革
→本革より耐久性はない
 
・ないよりかマシな防振力
→50ccクラスのチェンソーなら、あとからビリビリきます。草刈り機だってビリビリ。
 
・手のひらの人工革部が薄い
→これは仕方ないです…
 
・人差し指と親指の先に防振材がないタイプが多い
→使い勝手のためと言っておりますが、早期に破れますので、普通に人差し指にも防振材(劣化防止用に…)が欲しい
 
・背抜き部も破れやすい
→しかし涼しいので… 
 
・手首のマジック(ベルクロ)部が弱い
→付け替えるのがデフォ
 
 
『指先のTOP付近もキッチリとボンドで覆いましょう』
 
(※ボンド補強は、やはり通気性を悪くさせるので、若干暑さが増すと思っておいてください。しかし、防振性と耐久性UPなら!)
 
 
望創家が思うそもそもの防振手袋の[理想系]とは… 
 
・防振性が高い
→望創家は指先からの振動に弱い
 
・繰り返し洗濯が出来る
→洗いやすく乾きやすいのがイイ
 
・涼しい
→これは地味に重要
 
・適当にグリップ力がある
→グリップ力があり過ぎるのはダメ。適度がイイ
 
・安価
→消耗が激しいので安価が一番!
 
・耐久性が高い
→高くても安くても、はっきり言って破れる時は一緒 
 
 
『何回かに分けてボンド補強』
 
(※手袋内部にマジックペンやボロで芯入れしながら、ボンド補強すると楽です。乾燥時は空き瓶にそのまま挿したり…)
 
 
一度[高価な昔タイプの分厚い本革の防振手袋]を使用したことがあります。しかも背抜きされていないタイプ。もう夏場は360度汗かきまくりました。以来本革や背抜きされていない手袋は基本的にしなくなりました。 

 
そこで、 
 
「如何に理想的な防振手袋をつくるか」
 
考え、試行錯誤しながら研究費を投資した結果、行き着いたのが、 
 
 
でした。 
 
これに出逢うまでは単純に補強するのに[樹脂系orゴム貼り付け]と考え、暫くは、
 
「貼り付ける薄いゴム」
 
を探していました。
実際ゴムを貼り付けたりもしましたが、
 
「コレ、直接単純にシリコンかゴム系の樹脂系接着剤を防振手袋に付けたらいいんじゃない?」
 
となり、昔ながらのセメダインのボンドに至りました。


 
『補強用のグリップゴムを先に人差し指と親指の防振材のないところに貼り…』
 
 
グローブフィックスという滑り止めゴムをボンド補強の前に貼ってはみましたが…ちょっと割高に』


グローブフィックス上からスーパーX No.8008[ブラック]を塗ったりもしましたが…』
 
(※かなり割高になるので1回のテスト用でゴムはやめました。最強をつくりたい方にはオススメですが…)
 
しかし、セメダインっていろいろ種類があるんですよね。その中で、
 
「なぜ、スーパーX No.8008[ブラック]を選んだか」
 
知りたくないですか?
ですよね、知りたいですよね!
 
 
まずは、このスーパーX No.8008[ブラック]の特徴の硬化後の[弾性力]に若干の防振性を夢見、且つ[接着力]に更なるグリップ力を夢見、なんといっても[温度差(-60℃〜120℃)]にも強いということで、仮に熱くなったチェンソーに間違って触れても簡単には溶けないかなぁと。
 
そして最大の特徴は[地球に優しい無溶剤]
 
 
そんなこんなで、このblog記事を書き始め、早3ヶ月が過ぎようとしています。 
 
例の4つの防振手袋をローテで使い続けました。それにプラス1つ、使用して気づいた点を以下報告したいと思います。
 
 
「通常のサイズ(いつも使っていたサイズ)の防振手袋にボンド補強を施したものは、指先に窮屈感を感じ、少々痛みを感じた」
 
この結果から、もし皆さんの通常使用の防振手袋が[指先に余裕がない]ぐらいでしたら、ちょっと使い勝手が悪くなるかもですが[ワンサイズ]上げてからボンド補強をしてみてください。出来れば、通常サイズのものからボンド補強していただきたいですが、個々の手の大きさが違うので、皆さんで試してみてください。
 
(※指先補強をボンドですると、硬化後のシリコンが指先の伸びを若干規制するせいで窮屈感を感じるのかなと思っております)
 
 
『最後に指先を…(はじめに指先からボンド補強でも勿論構いません)』
 
(※とにかくブラックはいいです。強力)
 

次に、
 
「ソーチェンにはやはり勝てないボンド補強ですが、それでも一発二発とソーチェンが指先に当たっても浅く切れ目がつくぐらいで、いきなりは切れないです」
 
この結果から、やはり目立て時には無難に[耐切創手袋系]に変え、作業を行った方が得策かもしれません。また普通の安い軍手にボンド補強をし[目立て仕様手袋]をつくっても面白いかもしれません。 
 
但し、その場合の注意点は、 
 
「浸透性のある綿などにはボンドは若干しみていくので、軍手(例)などにボンド補強する際は、軍手をはめながらボンド補強をすると、軍手と手がくっつく場合がありますのでご注意を」
  
解決策にはならないと思いますが、ボンド補強をする際は、
 
一気に手袋全面にボンド補強をと考えず、まずは掌、次に指先以外、そして最後に指先、と段階を設けゆるりとボンド補強を楽しまれてください。 
 
ボンド補強する際は、手袋内部に太めのペンなどを入れたり、ボロ切れを詰めたりし、ボンド補強(ボンド塗り)をしやすくしてください。
 
(※勿論皆さんご自身の両手を手袋内部に入れて行なっても結構です。利き手以外がやりにくいだけなのと、ある程度乾くまで手にはめたままになってしまうという…) 

ボンドをつける面はなるべく[荒らして]ください。ボンドがつく=引っかかりが多い方がボンドはなかなか取れないと思います。ツルツル面の手袋には軽く紙ヤスリ(#240程度)をあててからボンド補強をされてください。
 
(※未だに何回も洗濯をしておりますが、ボンドが取れる気配はないぐらい強力なボンドです。最低24時間はボンド補強後は放置してくださいね)
 
なるべく空気が入らないようにし[厚め]にボンド補強がおススメです。空気が入ったままですと、硬化後の使用中に[気泡の穴]が小さく空きます。別に問題にするような穴ではないですが。
 
お好みで[ブラック]ではなく、[クリア]もあります。クリアの方が若干お値段が割高になり、内容量も減りますが[仕上がり]が綺麗に見えます。 
 
「しかし、若干の接着性が下がる気がします。それと、ブラックに比べて紫外線の影響を受ける気がします。弾性など、その他の性能もブラックに比べて劣る気がします」
 
ので[クリア]の使用は[ブラック]共に自己責任でお願いします。 
 
ボンド補強を沢山やる予定のない方は、内容量の少ないサイズを購入されてください。この類のボンドは[一度蓋を開けたら酸化が始まり硬化していきます]ので、割高になっても小さいサイズがはじめは使いやすいかもしれません。
 
因みに大きいサイズの[ブラック]使用の場合、防振手袋一対分のボンド補強費は[約100円]で出来ました。大体防振手袋5対分はボンド補強が出来ました
 

ボンドの小さいサイズ(20g)で防振手袋一対をボンド補強しようとすると、薄く塗らないとボンドが足りないかもしれませんのでご注意を。
 
 
ボンド補強を安く仕上げたい方は、防振手袋の[指先だけ]、または[指先と指全体だけ]にするといいと思います。私のように地拵えで鎌を持ったり、茨の道を進まなくてはいけない仕事をする場合は[掌]までボンド補強された方がいいと思いますが、それ以外の方は指先だけor指先と指全体がおススメです。かなりボンド代を浮かせられます。 
 
やはり防振手袋の破損箇所は[指先]が多いので、指先だけでも360度ボンド補強するだけで、かなり耐久性が上がると思われます。 
 
 
『最近雨の日の草刈りには、足袋だと濡れるので防水のチェンソーブーツを履いています』
 
(※サイズも若干合わないのですが足ならしの意味と安全性向上のために、チェンソーブーツに林業3年目で挑んでおりますが…足袋最高)
(※望創家サイズは27.5cm。mont-bellのチェンソーブーツも27.5cmにしたのですが…足の形の違いか若干痛い。次は28cmにする。靴下二重がデフォであります。4万円もするんですよ…→安全足袋が10足買える!?)
(※そのうちレビュー書きます)
 
 
如何でしたでしょうか。
 
これから林業をと考えてる方や、たまに刈り払い機(草刈り機)を使う方をはじめ、ガッツリ林業をされている諸先輩方、是非一度お試しください。 
 
望創家が何種類かボンドを購入し、防振手袋を犠牲にしデータ収集してきた軌跡の成果、是非活かし改良されてください。
 
(※更なる補強方法の確立と新ネタ、又は安価で最強な防振手袋をお使いの方、情報をお待ちしております)
(※望創家防振手袋はボンド補強費入れて約1,500円です)
 
 
『重機の運転も勿論支障なくボンド補強型防振手袋は活躍です』
 
(※最近はバラス(砂利)の積み込み・運搬で、山にこもっていましたが、重機内はサウナ…)
 
 
いつも当blogをお読みくださってる方々、ありがとうございます。そろそろ林業を引退し、違ったカタチで日本の山を整備出来る環境を模索しております。 
 
 
「山=お金」
「林業=補助金」
 
汚い部分が見え隠れする日々に少々嫌気がさして参りました。純粋に林業を楽しめる日々を望む昨今でありますが、そうはさせてくれない経営者との格闘(葛藤ともいう)の日々。 
 
 
山人のスキルアップには、単純に[時間]が必要です。その時間すら待てずに[数字]や[結果]を急ぐ人種。これじゃぁ、林業から事故は減りません。 
 
 
何度も言いますが、 
 
「伐倒(木を伐ること)は草刈りではありません」
 
 
今後も有益と思える林業ネタを発信していきたいと思っておりますが、暫し再びblog更新が滞ってしまった場合、
 
「あぁ、アイツは林業を辞めたか、今闘っているんだな」
 
と思ってください。 
 
 
それではまた次回お会いしましょう。
 
 
『画像じゃ見えないかなぁ…木の右上の方の薄い雲が虹色になっているのが…不思議な雲だったなぁ…』
 
 
追記:
 
ボンド補強の上から更にボンド補強しようとしても[引っかかり]がないので、ボンド同士の圧着は剥がれやすいのでご注意を。
 
 
『ペーパーでボンド付着面を荒らしてね』