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そぴあのブログ

今はカードキャプターさくらにハマり中です。
もちろんケヴィン・レイノルズ選手とニコライ・ホジャイノフ氏が好きです。
レイノルズ選手は引退されましたが、ホジャイノフ氏についての考察や感想も続けます。

たくさんの森のエルフ達が、廟の御座のまわりに集まっていました。美しい芝生の上に座り込み、皆思い思いに談笑しながら、奉納舞の始まりを待っていました。
学舎のこども達は、隅の方で一つ所に集まっていました。ルディを中心に、子ども達は輪になって真剣な面持ちで何事か語りあっていました。
「けびんが舞えないって、そんなことが、あっていいの?一体どういうことよ?ちょっとやそっとの病気で、けびんが辞退するなんて考えられない。」
キティがやや興奮した口調で言いました。他の子ども達も納得いかないという様子で、うなずきあっています。
「でも、キティ、感染症の病気だったら皆にうつるといけないから、辞退するしかないんじゃないの?確かに、昨日僕達がけびんの練習を見に来た時、とても具合が悪そうだった…。」
と、昨日、けびんに肩を貸してあげた男の子、クラウドが困惑したように続けました。
「でも…けびん、あんなに一所懸命練習していたのに。ずっと選んでもらえなくて、やっとだったのに。」とローラも、キティに向かってうなずきました。
「実際、夕べも何かおかしかったんだ。屋敷についたあと、けびんは長老様とお話しがあるとかで、長老様のお部屋に行ったきり、宴の席には結局一度も姿を見せなかった。」と、ルディが、続けました。
「夕べに発病していたからじゃないの?」
少し考えてエドモンドが発言しました。
「でも、突然すぎやしないか? 馬車の中でのけびんは、普通にしていた。ちょっと疲れているみたいだったけど、とても病気には見えなかった。いくらなんでも急すぎるよ、不自然だ。」
ルディは皆の顔を、確かめるようにゆっくりと、見回しました。そして、考え考え、ゆっくりと押し出すように、言いました。
「昨夜、帰り際、お屋敷から外に出た時だけど…。なんで、あんなに玄関前に水が撒かれていたんだろう。」
「え?少し暑くなってきたから、打ち水したんじゃないの?水浸しだったから、撒き過ぎの感はあったけど。」と、先ほどのクラウド。
「そう、撒き過ぎで水浸しだった。打ち水どころの水じゃなかった。」
「ルディ、一体何が言いたいの?」
じれったそうにキティが聞きました。
「かすかに、だったけど。夕べ、外に出た時……血の匂いがしたんだ。」
「血…!?」
皆が顔を見合わせました。
「そういえば、僕も何か生臭いような匂いがするなとは思ったけど…。」
「私は猫が、喧嘩していたのかと…。」
「うーんと、僕は、雷が鳴って、誰か落雷にあって怪我したのかと思った。」
「え?雷?」
「ほら、なんか、どーんと、雷が落ちたような音がしたろう?」
アンディ、メアリー、マイケルです。
「ああ、そういえば…。何か、お屋敷の人たちもその後、あわただしかったというか、何かばたばたしていたんだよね。お料理がなかなか来なかったり、来たと思ったら、火が通ってないのがあったり、なんか焦げていたのもあったし。」
エドモンドが思い出したというように続けます。
「おいおい、話の腰を折るなよ。さあ、ルディ。君の見解をまとめてくれ。」今まで黙っていた、リチャードが、皆を制しました。
「僕は…もしかしたら、もしかしたら、だよ。考えたくもなかったけど。…あれは…あの血の匂いは…。あれは、けびんが、何かひどい目にあったんじゃないかって。…とても、大変なことになったんじゃないかって…。」
「大変な、こと…?」
キティが呆然とつぶやくように繰り返しました。
「ルディ、まさか、まさか、けびんの血だったんじゃないか、なんて言うつもりじゃ…!」と、アンディ。
「それって、けびんが、私達のけびんが、大怪我をしたとでも言うの?!」
キティが悲鳴のような声をあげました。
「静かに…!」
ルディが慌ててみんなを制して続けました。
「だっておかしいじゃないか!あのけびんが、舞を辞退した。感染症だなんて、昨日はそんな様子、全然なかった。あの長老屋敷の正面玄関の前で、動物達が血を流すような争いでもするのか?そんなこと、ありえない。」
「でも、どうして大怪我したからって、それを隠す必要があるの? 怪我したから辞退するんだったら、みんな納得するし。」
アンディが困惑気味にたずねます。
「隠さなければならない事情があるからだろう。」
「誰かの責任が問われるとか?」
マイケルが首をかしげました。
「まさか、にこらい様が関係していて、かばうためとかいうんじゃないでしょうね?」
ルーシーが、非難するように続けました。
「でも、にこらい様は天界に戻っていらしたし。昨夜遅くに森に戻られたそうだけど…。それに仮に、にこらい様の所為だったとしても、怪我そのものまで隠すのは、何だかおかしいわ。事故で済むことでしょう?…怪我だとしてだけど。」
キティがまだ信じられないという様子で異議を唱えました。
「そこなんだ。そもそも、なんで、隠しているのか。僕達に見舞いすら許さないのか。」
ルディが、ちょっとにらむような目つきで遠くを見ました。
「…けびんのことだから、僕達に心配させまいとして、黙っていてって頼んだとか。」と、クラウド。
「有り得るね。でもそんなの、水臭いよ。僕達けびんの友達なんだ。ちゃんと心配させてほしいよ。」
エドモンドもうなずきながら続けます。
「確かにけびんの言いそうなことだけど…。他にも原因はあるかもしれない。むしろこの他の可能性こそが、問題の核心なのかも知れない。」
「ルディ、どういうことさ。」
マイケルがいぶかしそうにルディを見ました。
「けびんが大怪我をした。けびんの怪我の原因が事故なら、キティの言うとおり、そもそも隠す必要なんかないはずだ。それなのに怪我は隠されている。だいたい、屋敷にいたはずのけびんが、いったいどんな事故にあって怪我をするのさ。正面玄関の車回しの広さしかないところで、あの、すばしっこいけびんが、暴走する馬車にでも轢かれるのか? 誰かが故意にけびんを傷つける以外にどんな可能性がある?それもきっと、たくさんの血が流れるほど、ひどく。そして、その誰かを隠さなければならないから、真実を公表できない。見舞いすら、させてもらえないのは、けびんに会えば、病気などでないことが、わかってしまうからだ。」
「誰かって…? まさかにこらい様だと言うんじゃないよね。」
アンディが恐る恐るたずねます。
「もちろん、にこらい様のわけがない。まったく違う。僕が疑わしいと考えているのは、もう一人の…」
その時、わっと大きな歓声が沸き起こりました。


(つづく・・・)

この物語は、作者の想像による創作物です。実在の人物とは、一切関係はございません。