第67期名人戦七番勝負 第6局 | Mouse unit's Blog

第67期名人戦七番勝負 第6局

▲羽生善治名人 ○-● 郷田真隆九段△ 

郷田九段が3勝目を挙げで名人位に王手となった秋田での対戦から2週間 
この間に羽生名人は6月9日に行われた棋聖戦第1戦で木村一基八段に勝利するなど 
この第6戦の入りは良い状態で挑めたように思います 

序盤は今期の名人戦では何度か見られた指し手で 
再び相矢倉の気配もありましたが 
この流れを嫌ったか、それとも作戦として決めていたのか郷田九段は陽動振り飛車となりました 
これは畠山鎮七段も郷田九段の作戦では珍しいとの感想とのことで 
さらに自分は居飛車党ですのでその点でも興味深く対局が進んでいくのを見守りました 

中盤からお互いの大駒が多くぶつかり、それに伴って交換する際に駒の損得も深く考える場面ができ 
難しい中盤となりました 

81手目の▲4四銀で持ち駒に飛車を得た羽生名人は 
83手目に▲2二飛(後に▲2一飛成)と早い場面で迷いなく打ち 
これが最後に当然のように活きくることとなります 

終盤に入り郷田九段は102手目△6九角と106手目△8六桂という厳しい攻めにも 
羽生名人は冷静に読み、107手目から 
▲7三銀 △同金 ▲同桂成 △同玉 ▲8五桂 △8三玉 
▲8四歩 △同馬 ▲同銀 △同玉 ▲7三角 △同銀 
▲9五金 △同玉 ▲7三桂成 △7五銀 ▲9六歩 △8四玉 
▲8三桂成 △同玉 ▲6三飛成 △7三金 ▲7二銀 △同金上 
▲8一龍 まで131手で郷田九段が投了 

終盤の残り時間が迫っている状況で巧みな寄せと上記の詰みを見つけることは 
さすが羽生名人です 

第6局を羽生名人が勝利したため勝負は最終局、6月23・24日の愛知決戦となりました 
名人位の行方はどうなるのでしょうか