純金1キロを100グラム×10個に「精錬加工して」分ける手数料=17万円 | とある質屋で働く丁稚のブログ

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インターネットを閲覧していて、そんな広告が目につきました。金(きん)を扱う質屋的には見逃すことができません。


金・プラチナインゴットの地金分割加工(小分け)は『日本マテリアル』へ。


しかし、17万円もの手数料を掛けてまで、1キロの金を10分割する意味がわからない、という向きが多かろうと思います。千円札を百円玉10枚に両替するのに手数料を取られる、みたいなイメージですからね。


ちなみに1キロの純金インゴットは現在、おおよそ500万円の価値があります。


考えつくのはまず、遺産相続かなにかで、1キロの金を何人かで分ける必要が出た時、ですかね。


そして、その広告元の日本マテリアルさんによりますと・・・・


「資産を分割(小分け)して渡したい」

「毎年、少しずつ売却したい」


というケースが紹介されています。なるほど!


しかし、少しずつ売却、というのはまだしも、分割して渡したいのなら、17万円もかけて精錬加工してまで分割しなくても、1キロをそのまま売却したそのお金を分ければいいのでは?もしくはそのお金で100グラムを10個、買えばいいのでは?と思いますよね。


そこでキーワードになるのが、「精錬加工して」という部分です。精錬加工、つまり「いったん溶かして作り直す」わけですが・・・。日本マテリアルさんの解説が、次のように載せられています。




1kgをそのまま売却


1kgのインゴットを売却

約500万円の金額を受け取る

200万円超なのでお店側が支払い調書を提出

所得に売却が加算され一気に税金が増える





1kgを10個に精錬加工して分割、そして売却する


1kgのインゴットを精錬加工し、100g×10個に分割

100gを1つ売却すると約50万円

200万円以下はお店側で支払調書を提出しない

一気に税金が増えることが無くなる







フーーー( ´_ゝ`)ーーーン!



・・・・とまぁ、そういう「おとなのじじょう」があるんですね(遠い目)。「金地金等の譲渡の対価の支払調書制度」とか、「譲渡所得」とか。


そこで、大きなインゴットを「溶かして小さく作り直す精錬加工」が必要とされるわけで。17万円の手数料がかかっても、1キロを一度に売却するより安くつくんだね、ということでここはひとつ。


丁稚