先日、高校の同級生でありバンド仲間だったKに会った。Kが東京多摩地区のホテルに宿泊するというので駆けつけた。ホテルの近くの居酒屋で5年ぶりの握手をした。

 

Kは、高校2年生の時から理系・進学クラスの非常に頭の良い真面目な男だった。ごんちは、入学試験は150人中11位だったが、在学中にみるみるバカになり、卒業時点では下から2番目の成績だった。

 

高校1年の冬休みにバンドを結成した。ギターMとS、ベースK、そしてドラムがごんちだった。

2ヶ月後の春休みに東海ラジオのオーディションを受けるため、RCサクセションのトランジスタラジオを練習した。しかし、ギターSが余りにも下手で自主脱退となり、3ピースバンドになってしまった。

 

このあたりの話はまた別の項で書こうかな?

 

 

 

ドラムギターマイクピリピリ

 

 

 

高校2年生になって、ごんちは馬鹿・就職クラス。Kは理系・進学クラスとなっていた。

そもそも学区も違ったので、初対面だった。

バンド練習が増えれば自然とお互いの距離は近くなり親しくなっていく。

 

 

居酒屋で少し饒舌になってきたかKは、高校時代の自分の思いを話し始めた。

 

 

オレはごんちに全部教わったんだよ〜!タバコも酒も女もさぁ〜!

Kがウィスキーを生で飲み始めた頃からヤバい感じはしていたが、こんな話をKの口から聞くのは初めてだった。

 

ゴンチはさぁ〜モテモテだったじゃん!三股くらいしとったじゃん!オレもああなりたいと思ったんだよ〜!

う〜む、事実を歪曲して記憶しているようだ。確かにお付き合いしている女性はいたが、三股どころか二股もしたことはなかったので間違いを指摘した。

 

タバコもさぁ〜お前んちで初めて吸ったんだよ〜!

ううむ、そうだったかなぁ〜おばけアセアセ記憶がない。

 

酒もお前んちで初めて飲んだんだよ〜!

これも記憶がない。

 

オレはさぁ〜、ごんちがカッコいいなぁ〜って思ってたんだよ!モテるしタバコも酒もやるしドラムをすぐに覚えちゃうし曲も作るしさ〜

 

Kは酔いがまわり、今まで40年くらいずっと言えなかった本音を話し始めた。

その本音を目の当たりにして、ごんちの事をそんな風に見ていたとは初めて知ったのだった。

 

Kの方がエリート人生を踏んできていたのだ。

ごんちなんて、高卒の現場仕事の底辺中の底辺だ。

なんで、そんなことを言い出したのか。

 

 

つづく