時は1983年。

場所は京王多摩川駅前パチンコさくら。

専門学校生のごんちは、一発台のコンドルを打ち込んでいました。

 

さくらは低レート営業と言われる店。2.5円3000発定量。打ち止めすると7500円になる。

低レート営業は出玉感を演出できるので釘を甘くすることができた。地元の老人や手堅く勝てるプロがいた。

ごんちは、その店でコンスタントに稼いでいたが、ある日欲が出てきた。

 

当時の調布駅前には、調布会館、丸善、ダイヤがあり、これらのお店はさくらに比べ換金率が高く定量数も多い。

 

ダイヤは、3円4000発定量なので12000円にもなり、さくらに比べると4500円も多い。

 

ただ、ギャンブル性は高くなりさくらより香ばしい客が多かった。

欲張りごんちは、ダイヤの一発台スーパー・コンビを攻めることにした。

 

 

札束札束札束札束札束

 

 

ダイヤはさくらと違いワンフロア。

ひと島が長い。

スーパー・コンビはズラリと20台くらい並んでいただろう。壮観な眺めだった。

 

 

三共 スーパー・コンビ
 
アラジンと同じく天下の飛び込みから役物に誘導されるが、そのあと3択となる。
 
 
役物内がクルーンと言われる構造になっており、入ってきた玉は勢いに任せて時計回りにクルクルと回ることになる。玉の勢いがなくなった頃3つの穴のどれかに入ることになる。手前の穴に入ると大当たりだ。
このゲーム性がウケて大ブームになった。
ダイヤの釘師は優秀なのだろう。飛び込みの命釘を見れば、入るか入らないか分かる調整をしていた。アラジンに比べ飛び込んでも3択という難関が増えたことにより、命釘は緩い調整の印象があった。
 
振り分けに左右されるという運要素が増え、シビアな釘読みが必要なくなった。スーパー・コンビの島は大盛況だった。
 
 
ダルマダルマダルマダルマダルマ
 
 
学校が忙しくなったのか、しばらくパチンコから離れていた。寮の同室の主水さん(藤田まこと似だからそう呼ばれていた)もパチンコ好きでゴンチが忙しい間ダイヤでスーパー・コンビを打っていたようだ。
 
部屋に二人でいた時に主水さんが話してきた。
 
主水さん「あのさゴンチ。おもろい話があんねん」
ゴンチ「なに?」
主「最近ダイヤのスーパー・コンビ、玉が引っかかんねん!」
ゴ「飛び込みに?」
主「そうやねん。で、引っかかったら店員がガラス開けて、クルーンを打ち止め札で見えないようにしてから、引っかかった球を指で押し入れるねん!」
 
 
ゴ「へぇ〜」
主「それでな、当たりやすい店員と当たりにくい店員がいるんや!」
ゴ「ほう」
主「1番当たりやすい店員さんは重松さんって言うねん!店内放送で〈重松さん重松さん〇〇番台へお回りください〉ってアナウンスが入る時はスーパー・コンビに行ってるねん!」
ゴ「笑」
 
主「で、この間打ってて玉が引っかかったんや。呼び出しボタンを押したら店員が来たんやけど、店員も心得たもんで〈私で良いですか?〉って言うねん。」
ゴ「重松さんだったの?」
主「ちゃうかったから、〈ぼく重松さんがいい〉って言うたんよ」
ゴ「笑」
 
主「重松さん重松さん、〇〇番台へお回りくださいって放送が入って重松さんが来たんや」
主「重松さん腕まくりして〈失礼します〉って言うて神妙にガラスを開けて、厳かに打ち止め札でクルーンを隠して〈失礼します〉って言うて玉を押したんや」
ゴ「笑」
主「結果が出るまで札は外さへんねん。ガラスが無いから風とかの影響を受けないようにするためやねんな。」
ゴ「ああ、そうか」
 
主「しばらく待って、ハズレやと無音なんやけど大当たりならチャリーンって払い出し音がしてランプが光るんや。その間が興奮すんねん!!」
ゴ「へぇ~」
主「ごんちも引っかかったら重松さんに頼むんやで!」
ゴ「うん。そうするよ」
 
 
主水さんその時は大当たりしたという。
ごんちは、一度も引っかからなかったので、重松さんには会えなかった。
 
 
コレが「ぼく、重松さんがいい」という話だ。
 
 
次回予告
「初老のジグマプロと鉢合わせ」