アレジオンを夜に飲むと効果が高いと聞いて毎夜飲むようにしたら花粉症の症状が全くなくなったゴンチです
先日の買い物ロケ。
思うところがあったので記す。
ロケDと早朝に打ち合わせをします。
有名な制作会社のDです。
説明は丁寧で的確です。
今回の番組は民放地上波の特番のようで、運が良ければレギュラー昇格を狙っているという。俗にいうパイロット番組なんでしょうな。
主役級の俳優とその親友。
回し役の女性芸人の三人でロケをするという。
そのうちに、彼が煙たい顔をしながら我々技術スタッフに話します。
的確D「(収録が)回る頃にはディレクターみたいな人が山ほど来るんですいません💦(覚悟しておいてください)」
これは、どういうことかと言うと、ロケ現場のディレクターが若手の場合、お目付け役で古参Dがアドバイスという名目で現場に来て、やいのやいの口を出すということなんですね。
こういうのは良くある話なので、分かりましたという返事と同時に、若手の試練の場ですから頑張って欲しいと思いました。
収録開始時間ちょっと前に古参Dが到着。
さっそく、口を挟みだす。
驚いたのは古参Dが四人もいる
ああ、これでは若手Dが現場を仕切るのは厳しいなと思いました。
ほどなくタレント車両も到着。
古参Dが、手もみしながらタレントに説明をし始める。
若手Dは、その横で無言で笑顔。
↑
よくある光景です。
説明が終わり、収録開始。
前フリから、コメントから、歩く場所から、編集点までやいのやいのと四人の古参Dが口を挟む。
タレントにしてみたら、若手Dが窓口のハズなのだが、やいのやいのと外野から注文が来るので「誰の演出を聞いたらいいの?」という状態。
そうなるよね。
こういうのを俗に「船頭が多い」と言いますね。
良くない現場の状況です。
イニシアチブを握るのは一人の船頭で良い。
そうしないと、船があらぬ方向へ進んでしまい遭難してしまうという格言ですね。
まさに、遭難しそうな現場でした。
そういう時は、デカイ声を出すに尽きるんです(笑)
主役級の俳優のために共演者二人が買った2パターンの洋服コーディネイトを着る。
そして優劣を決めるというコーナーがありました。
1パターン目の衣装での絡みを撮影した後、ナレーション用にインサートカットを撮らなければならない。主役級が実際に来ている服をその場で撮るんですな。
これは、若手Dがロケ前に絶対に撮りたいんですとワタシに言っていたので、絶対に撮らないといけないインサートなんですね。
ところがですね、同録終了直後には現場やタレントたちは緊張がほぐれ、一瞬だらっとした空気が流れるんですな。
古参Dたちがタレントをよいしょするためにバンバン話しかけてしまう。
そんな時に、インサートいただきます!と小さな声で主役級に声を掛けたところで対応なんてしてくれない。
共演者と話し込んでしまったりするんですな。
若手Dは、主役級俳優に物怖じしているのか、古参Dに忖度しているのか声が小さい。
ほんで、良く喋る声のでかいゴンチの本領発揮です(笑)
ゴンチ「〇〇さん!申し訳ございません!このタイミングでインサートを撮らせてください!まずは全身でございます!」
ワタシはFFのサイズを切って待つ。
そこへ、若手Dが乗っかってきて
若手D「くるりと一周をお願いします!」
くるり
はい、若手Dが絶対に撮りたかった画が撮れた。
次は、靴~ズボン~シャツとパーツ、同録でトークが弾んだ用の箇所も10秒づつ撮っていく。
ゴンチ「では、お帽子もいただきます!」
と、叫ぶと進行役の女性芸人が反応した。
女性芸人「お帽子いただいてま~す♪」
よく分からないが、ワタシが言ったお帽子というワードが新鮮で気に入ったんだろうね。
それをきっかけに、女性芸人がインサート撮影の音頭を取ってくれるようになった。
こうなると、現場にこの座組独特のテンポが生まれ、スムーズに動き出すんです。
安っぽく言うとチームワークが生まれるんですね。
その日に初めて会ったクセのある人間が、息を合わせて撮影をしていくんです。
上手く独特なテンポが生まれた後は、どんな局面でもスムーズに撮影は進むんですね。
お寺でオープニング
参道で買い食い
洋服の買い物
激安スーパーの買い物
居酒屋で打ち上げ
と、盛りだくさんでしたが予定より一時間巻いて撮影終了。
上手く回った時はこんなものです。
それにしても、芸人がテレビ業界で蔓延(はびこ)っている現状を煙たく思うワタシ。
芸人が現場を回している実情があるので複雑な気持ちです。
現場の進行も出来る、気難しい店主をほぐしたり、取材先の人と感じよくなじんでいける芸人の存在は、若手Dにしてみたら頼もしい存在なんだろうね。
ていうか、本来は現場の仕切りは制作者なんですよね。
芸人は使われてナンボの存在なんです。
勘違いしないようにしましょう。
この買い物番組は、4月末に放送予定だそうです。
ま、忘れて無ければ告知します