アマプラでシベリアン・スナイパーを観た。
ロシア映画ですね。
第二次世界大戦中のソ連対ドイツの戦闘の最前線で、シベリア生まれの狙撃者がソ連軍に一助したという話。
シベリア生まれの狙撃者とはざっくり書いてしまったが、本作の主人公はソ連の少数民族ヤクート人だ。
ワタシは聞いたことが無い民族だったので、再生を止めてヤクート人について調べた。
当時は、トナカイを飼育しつつ狩猟を主に暮らす人たちのようだ。
そんな、狩猟を生きる術としている男の腕前は百発百中。窮地の前線でその腕前を知った隊長に狙撃手として抜擢される。
実戦では、猟師らしい様々なテクニックを使い、獣を狩るかのようにドイツ兵士を狙撃していく。
そして物語は進み、ヤクート人狙撃手が窮地に追いやられていた自軍を勝利へと導く。
なんだか観ていて楽しいし嬉しく思うのだ。
この物語は、鳥居強右衛門のエピソードに酷似していると思う。
鳥居強右衛門は、自軍の城(長篠城)が武田軍に包囲され兵糧倉を焼かれ、籠城した500人の兵士は餓死するか投了するかの選択にさらされた。
長篠城城主・奥平貞昌は岡崎城の織田・徳川連合軍へ援軍を求めるべく、鳥居強右衛門を使者として送ることを決定。
鳥居強右衛門は、泳ぎ・走りという特技を生かし使命を果たしました。
特技を生かして自軍の内助とする。
シベリアン・スナイパーのエゴールと、鳥居強右衛門が被るんですね。
また、ヤクート人はアジア圏に属していますので、日本人の顔によく似ています。
親近感も沸くので、物語が進むにつれエゴールを応援してしまいます。
映画的には、尺が短いということもあり人物のディティールを表現するのが少なくなってしまっているのが残念です。
ロシア人・ドイツ人の戦いの中にヤクート人がどう関わっていっていたのかを感じることはできました。
本編中に、彼の母国語のヤクート語で暗号通信をする場面があります。
ヤクート語は、ロシア人もドイツ人も知り得ない言語であったという時代背景を現わしていて大変興味深いですね。
ローカル言語が活用され優位性を感じると、地方出身者で方言使いであるワタシは楽しい。
東三河の暗号はこうだ。
「やっとかめだのん、なにしとっただん、おっつーはやくおくれん。ちみくっちゃいかんに、おおゆだもんではやくはいりん」
ふふふ。
これで誰も理解できない暗号で、重要な情報を同郷の通信兵へ伝えることができるのだ。
暗号通信というのが、戦争では必須でありその重要性は歴史的にも記されている。
暗号通信というワードを聞くと、この映画を思い出す。
ウィンド・トーカーズ
第二次世界大戦中、暗号通信を解読することが出来ず窮地にあったアメリカ軍は、日本軍が占拠するサイパン島を攻略しようとする中で、独特の暗号通信を行っていました。その暗号は日本軍が理解できないナバホ語で行われました。
ナバホ語とは、アメリカ南西部のナバホ族が使うローカル言語です。
日本人が聞いたこともない言語だったんですね。
日本軍はこの暗号通信を解読できなかったため、サイパン島を始めあちこちの領土を攻められていきます。
シベリアン・スナイパー
長篠城の鳥居強右衛門
ウィンド・トーカーズ