ある短歌サークル誌に投稿した連作15首です。
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【コーヒーは三杯までと決めている】
コーヒーにミルクを入れる コーヒーはコーヒーのままミルクが消える
青空に雲 本棚にプラモデル 当たり前ってあるのでしょうか
ベランダに干したふとんがお日さまの光を浴びておふとんになる
取り敢えず予定を入れる 未来とはとても言えないちっぽけなやつ
風呂敷に包まれ只のようかんがやや高そうな羊羹になる
駅までの道が殆ど上り坂 俺の心は試されている
電飾の巻きついている木があって夜はツリーと呼ばれるのだろう
ゴミ箱が空っぽである もしかしてゴミ箱じゃないのかもしれない
コーヒーにミルクを入れる コーヒーがミルクを入れた分だけ増える
芽キャベツがキャベツになると信じてるあなたの夢を応援したい
パリパリのポテトチップスをくたくたにさせる空気に生かされている
家までの道が殆ど下り坂 俺の心は転がっていく
下駄箱にアイスを入れる明日には世界が少し違って見える
リモコンが壊れて気付く相方は相方あっての相方なのだ
コーヒーにミルクを入れる もう二度と黒いコーヒーには戻せない