「富士山 前編」はシロートさんがベテランさんの登る速度に必死にくらいついて行ったと言うお話でした。そして中編、、、あえてタイトルを付けるとすれば以降の中編、後編は「ひたすら気合だぁっ編」です。
7合目までは富士山の頂上にいく道のりの中で言えば「まぁまぁ緩やかな登り」でした。
この表現が正しいかどうかは、登る人の主観によりますが、今回の僕にとっては正しい表現です。
7合目に到着した時点でヘロヘロだった僕が「まぁまぁ緩やかな登り」ということは、、、このあとのヘロヘロ具合は想像に難くないと思います。
なので以降は写真が一切ありません。。。。
漸く7合目に辿り着き、10分ほどの休憩の後、更に上に向かうため、7合目の小屋の裏手に行ったときです。今から登るルートと指差されたのは、「はぁぁぁぁ???」と思わず顎を伸ばしきって見上げてしまうほどの斜面です。
このときはそれでも「アイゼンで雪上を歩けるっ」というお気楽気分が抜けきれてません。ノリノリでアイゼンを装着し、ピッケルを取り出します。
「ちょっとヘロヘロだけど、何とかなるっ」
と言い聞かせて登り始めます。このときもガイドさんともうひとりの参加者Aさんの間に挟まれ、タイトロープを付けて登ります。
登り始めてしばらくはアイゼンがしまった雪を食む感触が楽しかったのですが、当然のことながら「スピード」の違いでキツくなってきます。それに加え、気づいたことがありました。
「雄山での登り方と違う」ということです。登り方というより「足の運び方」の違いです。
雄山では疲れない登り方として、長い急な斜面はジグザグに登りました。それも、「マイムマイム」のような足運びをする登り方で、です。(ホントは「フ」ナントカカントカ、という「フ」のつく登り方だったと思いますが、名前が思い出せません。名前を教えてもらったときから頭の中で「マイムマイム」と自己流の命名をしてしまったので。。。)この登り方はガニ股で直登するより一歩一歩の動きで必要とするエネルギーが少なくてすみ、個人的には長く急なところを歩く方法として適しているな、と思っていました。おかげでこのときは急な斜面でも「全く」疲れることなく登ることができました。
それが、この富士山ではひたすら真っ直ぐに頂上を目指して登っていきます。
ずぅっとガニ股あるきです。しかも急斜面。
「えーーっマイムマイムじゃないのぉ」と頭の中で愚痴が。。。
「うーーーん、やっぱりこの『シミュレーション登山』ってヤツは、シロートさんには超シゴキ系??」
頭の中で余計なことを考えて、ただでさえなくなっている体力を使ってしまったのか、だんだんペースが落ち始めてしまいました。
そうすると前を歩いているガイドさんとの間に張られているロープが「ピィン」と張ってしまって、「グッ」っと引っ張られてしまいます。ということは、ガイドさんに要らない力を使わせてしまっていることになり、それがいやで、何とかロープが張らないように歩こうとするのですが
「ピィン」「グィッ」「ピィン」「グィッ」の繰り返しです。
「すいませーーーん」。ガイドさんとAさんに平謝りです。『頭の中で』ですが。
とてもじゃないですが、呼吸も荒くなってきてしゃべるのがだいぶときつくなります。
しかも、ガニ股で登りなれていないせいかだんだん右膝が、、、。
「いやいや、気のせいっ気のせいっ」と右膝の鈍痛を無視して、一歩一歩足を前に出すことに集中します。
よーーーーーやく、八合目です。本当によーーーーーやく、です。
水分保有のため5分ほど休憩です。
ここまでで約3時間弱で、7:00です。
頂上を見上げると、近いような、遠いような。ただ、ココまで登ってきてわかったのは
登頂目標タイムの「9:00」が自分のせいで難しそう、と言うこと。
誰しもそうですが、人に迷惑をかけるのは気持ちいいものではありません。
「だぁぁ、、もぅっこうなったら、気合じゃぁっ!弱音は口には出さぬゎぁっ(つまり、頭で思うのは自由ということですが)」
この段階ですでに『気合』だけしか残ってません。
しかも、この時点で小腹が空き始めていたのですが、さすがにおにぎりなどをガッツり食べてしまうと、途中ですい臓が痛くなったりするので、アメを二つばかり口に放り込んで、頂上に向けて出発です。
休憩したばかりですが、3000mも超えて少し酸素が薄くなっているせいかもしれませんが、すぐに呼吸が荒くなります。それに、すでに足がだいぶと重たくなり、休んだせいか右膝の鈍痛が顕著に。
ゼーゼーだわ、膝が痛いわでだんだんペースが落ちると、また「ピィン」「グィッ」「ピィン」「グィッ」の繰り返しが始まってしまいます。
ガイドさんが、途中で呼吸の仕方や歩き方のアドバイスをくれるのですが、如何せん、基礎体力が。。。
それに引っ張られるたびにロープが胃を刺激して、忘れたい空腹感を強調してくれます。
9合目の鳥居らしきところが近づいてきます。
「休憩してくれるかな?」と言う儚い、かすかな期待は、いともあっさりと
「このまま上まで行っちゃいましょー」のガイドさんの一言で消え去ります。
「だぁね、だぁね、休まないよね、いいですよっ。登っちゃいますよ、気合だけでっ休みたいなんて言わないさっ」
が、右膝の痛みが無視できなくなってきてしまいました。
さすがに、気合だけでは痛みが取れません。当たり前ですが。
仕方がないので、真っ直ぐにガニ股歩行をあきらめ、痛みが軽くなる歩き方を模索して、「改良版マイムマイム」を編み出しました。どんな方法かというと、簡単に言えば斜めに置いた足と平行になるように次の足を置く、方法です。
この方法のおかげで何とかのぼりを続けるのですが、頂上の鳥居がなかなか近づかないんです。
でも、すぐそこなんです。
しかも、ものすごく腹ペコなんです。
「気合だぁっ」と思っていると、頭の奥のほうで、某レスリング選手のお父さんの
『気合だ×10、オィッ×3!!』のフレーズが。。。
一度浮かんでしまったこのフレーズ、結局頂上に着くまで頭から離れることがありませんでした。
途中で「ピィン」「グィッ」「ピィン」「グィッ」を繰り返して、ついに頂上でスッ!!