アンティークコーヒーミル その4
今回も、プジョーのミルです。
この2つのモデルはともに1920年代のものです。
ともに良好な状態です。
左のミルはアーチ状の金具が特に目を引きます。
豆を入れるフタが両開きになっており、細部にわたり
丁寧な仕事ぶりが伺えます。
さて、向かって右のミルには大変興味深いことがあります。
拡大してよく見てみますと、左隅の部分が欠けたため、木を
継いでいるのが見られます。
なにかの拍子にぶつけて木を割ってしまった。持ち主は、その
ままにしておくのは忍びなく、職人さんにたのんで、きちんと
修復したんですね。
この接木はとても上手に仕上げられています。
職人さんに頼むと、1日分の手間賃がいるので、相当物を大事
にする人でなければ、ここまで愛情をかけないでしょう。
実は、左のミルはパーツがひとつ不足していて、そのままでは
きちんとコーヒーが挽けない状態でした。
最初は、それでもいいかと思い、そのままにしていたのですが、
右のミルの接木を見て、正常な状態に戻そうと思い、不足して
いるパーツを専門の方にお願いして、作っていただきました。
小さなミルにも、さまざまなストーリーがあります。
いいものは永く引き継いでいきたいですね。
この年代のロゴマークも、40年代とはまたちがいます。
このロゴプレートだけでも売買されていますので、これだけ
で判断して購入されませんように!