ブレンドのお話 | 自家焙煎コーヒーのマウンテン  (MOUNTAIN)のブログ   ★マウンテン通信★

ブレンドのお話

久々コーヒー専門店らしさを醸し出すお話です。

今回は「ブレンド」について。

コーヒーは大別して、ストレートコーヒー(単一の豆)と
ブレンドコーヒー(数種類の豆を混合)に分かれます。

モカとかブルマンとか有名なコーヒーがあるのに、なぜ
ブレンドが必要なのか。
ミックスとはあまり言わず、ブレンドといわれるのはなぜか。

それは、あるオキテがあるからなんです。
ブレンドには、3つの要素があります。
 1.口当たり
 2.本体の味
 3.後味

この3つの味のバランスが良いと、いいブレンドと言えます。
ストレートは、そのものの味を楽しめます。
ブレンドはストレートの味に幅を持たせてあげます。
ちょうど、ストレートが釜揚げうどんだとすると、ブレンド
は天ぷらうどんやきつねうどんだと思ってください。
何でも入れていいんじゃなくて、相性がありますよね。
ミックスではなくブレンドを呼ばれる所以です。

どっちがおいしいのでなく、嗜好の問題なのです。
ストレートでは足りない味をブレンドで補う。
いや、ブレンド自体が個性なのです。

さて、ブレンドをつくる場合、味のイメージで上述の3つの
味のグループから豆を選びます。

マウンテンの「ハウスブレンド・スタンダード」を例にとると
 1.には口当たりと香りが柔らかい、ブラジルを4割
 2.にはマイルドコーヒーの代表選手、コロンビアを4割
 3.には、しっかりしたコクのマンデリンを2割

で配合しています。配合率は4:4:2や4:3:3がよく
使われます。同じブレンドでも配合率の違いで味が変わります。

オキテ破りのブレンドもあります。
ふつう、中煎りなら中煎り同士、深煎リなら深煎り同士の豆を
ブレンドしますが、あえて、中煎りに極深煎りを入れて成功
したものがあります。
7,8月の季節もののスイカブレンド白は、ブラジルをベース
にコロンビアを少し、そしてムンドノーヴォの極深煎りを
アクセントに入れましたが、苦味が実にマイルドになっています。
いろいろ試していると時にフッと浮かんだアイデアから誕生
しました。

ブレンドの難しい点は、コーヒー生産国のその年の出来不出来
によって、味が微妙に変わってしまうことです。
農作物ですので、やはり不作の年もあります。
ですので、季節のブレンドの配合はノートに記録していますが、
年によって配合を変えたりしています。

どうです、ブレンドって面白いでしょう。
マウンテンも変な(!)ネーミングのブレンドがたくさん
ありますが、日夜試作品を作っています。
皆様にもっともっと楽しいブレンドを飲んでいただけるよう
がんばります!