憧憬 谷川岳 | FLY HIGH

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登ることは生きること。後悔をしない毎日を。

東北ひとり旅の振り返りすらできないまま、

谷川岳へ向かった。


どう見ても晴れるしかない天気図。

なのに雨の朝。

そうだ、谷川岳はそういう山だった。

人の心をかき乱してくる。


帰りたい気持ちでいっぱいだったけれど、

一ノ倉沢が初めてだという同行者の気持ちに押されるように出発した。


出合まで行って決めよう、

テールリッジ取り付きで、

中央稜テラスで、

南稜テラスで。


中央稜取付きの時に見えていなかった

南稜がテラスについたら見え始めていて、

結局濡れた岩に怖がりながら登ることになった。

1P目のチムニーは本当にびちゃびちゃだった。


国境稜線へ抜けることは叶わなかったけれど、

この雄大で特異な景色の中に私たちしかいなかった特別な時間。


響き渡る岩雪崩の音。

青空から舞ってくる雨。

眼下に広がる雪渓と新緑と白い岩盤。


登りたいと思っていた頃には登れず、

機会を逃してきた。

その間に流れた歳月は13年。


一ノ倉沢は昔と変わらず、

自分にとっては怖くて強いプレッシャーをずっと感じる場所で、

でも、ただただ美しくて震える。

やっぱり特別な場所だと思った。


また来ようね。












☆2024/5/22

インフォメーションセンター駐車場530〜南稜終了点1330/1405〜駐車場1930着