ゆるめるモ!×DOTAMA ツーマンライブレポ ~アイドルとラッパーがMCバトル!? | アイドルKSDDへの道(仮)

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心に茨を持つ山梨県民こと「やまなしくん」のブログ。基本UKロックが好きですが、最近はもっぱらオルタナティブなアイドルさん方を愛好しています。

3月19日 TSUTAYA O-nestでの ゆるめるモ!2マンライブ企画「バトルニューニューVol.7」…これは実をいうと、直前まで行く予定ではなかった。「行きたいアイドルのライブに全部行ってたら金が無くなる…」という現実を知った僕は、「県外へライブを観に行くのは月2回までにしよう…」と考えていたのである。今月は既に、モ!とコウテカとのツーマンライブを観に東京・新宿へ、そして先週はでんぱ組.incのライブを観に埼玉へ行ったのである。だけど…この3連休を自宅で無為に過ごしたくはなかった。4月以降は、しばらくモ!のライブへ行けなくなる可能性もある。今回は当日券が出るという。ならば、今のうちに…行くしかねえ…だろ!?と、東京行きを決意した。

今回のライブへ行きたい理由は、他にもあった。自分が直近に行った2回のライブでは、あのちゃんが欠席していたため、6人そろってのライブを観たかったのである。そして、今回の対バン相手は、「謙虚な曲者ラッパー」ことDOTAMA。最近、ラップバトルを放映するテレビ番組「フリースタイルダンジョン」にハマり、ひたすらYouTubeで観ており、そこでDOTAMA氏のことを知ったので、あのフリースタイルラップをぜひライブで観たいと思った。しかも当日は、モ!のメンバーとMCバトルをするというではないか。アイドルがラッパーとMCバトル!!? これは歴史的なイベントではないか!?絶対面白いことになるだろうと、期待を胸に渋谷へと向かった。

午前中までの雨は上がり、晴れ間が見えていた。温かく、春の陽気が感じられる好日だった。渋谷はとても人が多かった。人込みは嫌いではないけれど、早く歩けないのは辛い。O-nestというハコは初めて。この界隈はライブスペースが隣り合わせなので分かりずらくて迷った。エレベーターでビルの上の階に上がったところに、受付があった。



すでに物販が始まっていた。スケジュールの都合で、あのちゃんがライブ前にチェキ撮影会を催しており、すでに多くのファンがチェキ列に並んでいた。…って、いきなり距離が近いよ!好きなアーティストとすぐ近くにいるのは、今でも不思議な気分がする。

せっかく列に並ばずに物販を買えるので、買いたいと思っていた「推しTシャツ」を買った。もね寄りの箱推しである僕は、ピンクのTシャツを買った。加えて、次回のライブを見越して、しふぉんちゃんとのチェキ券をGET。これで来月以降懐事情がキツイかもだけど、く、悔いはないんだ…



物販が行われているBARスペースから階段で下の階へ行くと、ライブスペースがあった。こじんまりとした一般的なライブハウスだった。ステージ上にはDJセットが組まれていた。定刻18時から7分ほど遅れて、ラッパーDOTAMAのステージが始まった。


【DOTAMAのライブ】



元サラリーマンであるDOTAMA氏は、そのラッパーらしかぬ風貌が特徴である。今日もチェックのシャツにネクタイを締め、ジャケットを着ていた。かつて鎮座DOPENESSを知った時もそうだったが、こういう「ヒップホップらしくない」ラッパーが出てくるのは面白い。DOTAMA氏は元サラリーマンらしく、「みなさん、ゆるめるモ!をご愛顧されている方々で…」と、やたら言葉が丁寧なのだが(笑) しかしラップは切れ味鋭く、聴きとれるリリックからは、音楽業界や社会への斜めに構えた視点、そして愛憎入り混じった視点が読み取れた。自身の地元である栃木に立つイオンモールを語った曲とか…僕の地元、山梨も同じ状況だし!かつてのDOTAMA氏と同じく、自分も地方在住のサラリーマンなので…なんかシンパシーを感じてしまった

ステージでは、あのフリースタイルラップも披露。その場のお客さんから5つのお題を出してもらい、そのキーワードを全てラップに入れるのである。出されたお題は、「ハチ公・マヨネーズ・スーツ・木曜アティチュード・R-指定」であった。DOTAMA氏は、その全てのキーワードを基に、即興でストーリーを作り、韻を踏みながらラップするのである。ラップにゆるめるモ!のことも入っていて、「今日のMCバトルのリハーサルやったけど ちーぼうに超ディスられたぜ」ということをラップして客席を大いに沸かせていた。(笑) 僕はヒップホップのライブは観たことがあったけど、フリースタイルをライブで観たのは初めてだった。…いや、もう本当にすごかった。これが歴戦の猛者の実力か!

しかもDOTAMA氏、最後の曲が終わった後で時間が余ってしまい、さらにもう1回フリースタイルを披露してくれた。2回目は「田家さん」(ゆるめるモ!を立ち上げた運営&プロデューサー。いつもライブ会場に居る。)というお題も出たのだが、タケさんを昔から知ってるぜ…みたいな、以前からの絆をラップしていていたのは熱かった。

【ゆるめるモ!のステージ】

フロアは、それほど混んでは無く、適度に空間があった。あと30人は余裕で入れそうな感じだった。うーん、もっと多くの人に来てほしいよ! 僕は一人参戦だったが、モ!のTシャツを着たゆるオタさんグループが楽しそうに話をしているのが聞こえた。女の子の2人組もちらほら。あのちゃんがティーンファッション誌Zipper等でモデルをやっているので、モ!のライブは女の子もそこそこいる。アイドルのライブにオッサンばっかりってのは、うーんちょっと…と思っている自分にとって、モ!の現場は心地が良い。(と言ってる自分はオッサンの域ですが…)

待望の、6人全員そろってのゆるめるモ!のライブ。セトリは次のようだった。(Twitter上でファンの方がアップしたのを拝借しました。)

ゆるトロ(slo-モ!)

モモモモモモ!世世世世世世!
1、2、かんふー!
木曜アティテュード
その他の皆さん
ぺけぺけ
Majiwaranai CAts
たびのしたく
スキヤキ
Hamidasumo!
idアイドル
Only You

(encore)
kawaiiハードコア銀河
逃げろ!

(※たしか、これに加えて「よいよい」を演っています)


木曜アティテュード」は2年ほど前にリリースされた『箱めるモ!』に収録されている曲で、その歌詞をDOTAMA氏が書いているのである。…ということを、直前になってやっと気づいた自分だが、このレアな脱力ラップナンバーを聴けたのは有り難かった。

それにしても、今日のフロアは熱い。モ!のライブを観たのは今回で6回目だったが、これまでで一番、オタクの方々の熱気を感じた。リフトや振りコピが何度も起こり、曲間でのコールの声もひときわ大きかった。(余談だが、歌っている途中でコールを入れるのは、歌を遮るのであまり良くないと僕は思っている。もっともこれはアイドル文化の一部なので、完全否定するのは難しいですが。) 「よいよい」ってこんなに激しい曲だったっけ!?って思うくらいだった。僕も今回は体調万全だったので、がっつりMIXを叫んだり手を振りあげたりした。(とはいえ、まだまだコールは全部覚えられない…)また、隣のゆるオタさんと(全然準備してなかったけど成り行きで)肩を組んでヘドバンする振りコピをしてしまった。良き思い出!

個人的には、1stアルバムでは一番好きだったディスコ曲「スキヤキ」を演ってくれたのが嬉しかった。後半みんなで叩くクラーベ・リズムの手拍子がカッコ良いんだよ!めっちゃ踊った! 本編最後はカオティックで壮大な「Only You」で、あのちゃんとしふぉんちゃんがフロアに向かってダイブ!昨年のワンマン以来のダイブを目撃できて、僕もテンション上がりまくり! 



アンコールやるの?という雰囲気があったが、やはりあるらしく、ゆるオタさんがアンコール発動。そして再登場。今回もステージは近くで観られたし、みんな…かわいい…! 最後には、やはりこれはモ!のライブには必要不可欠という「逃げろ!」を演ってくれた。あのちゃんパートでは一気に5人のゆるオタさんがリフトしてて笑えた。フロアは温かいヴァイヴに満ちていた。僕はサビの歌詞を一緒に歌った。ああ、ゆるめるモ!のライブって、最高だな!


【ゆるめるモ! vs DOTAMA MCバトル】

モ!メンバーとDOTAMA氏に加えて、田家さんが登場。田家さんが司会進行をつとめていた。知らされていない「お題」がプロジェクターに映るので、それを基にフリースタイルでラップして、お客さんをより盛り上げた方が勝利するという。一度、田家さんを含んで全員で「練習」したのちに、バトルは始まった。

第1試合には、ようなぴちゃんが登場した。お題は「渋谷」だった。DOTAMA氏はまっ白い服を題材に、君は真っ白なシンデレラ、みたいなラップをしてて愛を感じた。そしてなぴちゃんは「DOTAMAさんの心真っ黒 私が白くしてやるよ」みたいなこと言ってた。おおっこれは何て的確なアンサーそしてディスなんだ!というわけで、当然?のごとくなぴちゃん勝利。

もっとも、フロアはモ!のファンが半数以上だから、DOTAMA氏にとっては超アウェーもいいところ、ではあった。なので、モ!メンバーは次々とバトルに勝利。しふぉんは一番上手くビートに乗ったラップができていたと感じた。DOTAMA氏は「お前のこと好きだぜ」と愛のこもったラップをするのに、それをモ!メンバーはディスで返してボコボコにするのである。(笑) けちょんは、「お金」というお題に「どうしたらお金を稼げるの? ねえ大人でしょ教えてください」と可愛くラップして「貧乏ラッパー」DOTAMA氏をディスっていた。もねちゃんとのバトルではDOTAMA氏も本気を出して、もねちゃんが小節を誤ってラップに間を開けてしまったのを「息抜きなの?」と突いて攻撃したけれども、それでも敗北するというフルボッコ状態であった。

しかし次は違った。じゃんけんで先攻・後攻を決めるのだが、これまでモ!メンバーが後攻だったのだが、ちーぼうとのバトルでじゃんけんに勝利したDOTAMA氏は後攻を選んだのである。初の先攻となったちーぼうは善戦するものの、本気を出したDOTAMA氏は的確なディスを繰り広げ、オーディエンスの判定は割れた。これは延長!?となったが、もう一度田家さんが判定を取ると、DOTAMA氏の方が歓声が大きく…「これは負けですわ」とちーぼうは敗北を認めた。しかしそこで終わらず、ちーぼうは「このままだと悔しいので即興で歌を歌います」と、歌い始めた。お題は「お寿司」だったのだが「お寿司と言えばトロ~ トロって高いよね~ DOTAMAさんには買えない~」とディスっていて、もう見事! リハーサルでは、ちーぼうが超ディスってたそうなので、これでおあいこ、決着は楽屋で、ということになった。 笑

トリはあのちゃんだった。あのちゃんは1ターン目ではおとなしかったものの、2ターン目で激しくディスを繰り広げ、「DOTAMA キン〇マ」と必殺のパンチライン!…もはや勝敗は決した。観客からは、DOTAMAに「よく頑張った…」という同情の拍手が送られ、あのちゃんには満場の歓声が送られた。

バトルの後、DOTAMA氏は「最初は静かだったのに途中から突然ディスってきて、もう表と裏が…」ということを話していて、あのちゃんの戦いに戸惑っていた。それに対してあのちゃんが「天使と悪魔だYO!」と返していたのが忘れられない。 DOTAMA氏、1勝5敗! ゆるめるモ!は、氏のバトル戦績を一挙に悪化させるという快挙を成し遂げたのだった(笑)

僕は、ゆるオタの務め?だと思って、全バトルをモ!のメンバーに投票した。実際ディスが面白かったし。けれど、即興で次々とライミングするDOTAMA氏のフリースタイルの妙技は素晴らしかったし凄かった。本当に楽しかった!し、それは会場にいた皆も同様と思われた。「2回目をやりましょう」との田家さんからの声に、観客から大きな歓声が上がっていた。僕も声を上げた。


(公式Twitterからの集合写真)


【チェキ会にて…】

さて、ライブの後は物販だった。今回のライブ、僕は、前々回そして前回のライブで撮り逃した、もねちゃんとチェキを撮る、という目的があった。列に並んでしばらく待つと…自分の番が来た。

もねちゃん。ゆるめるモ!の絶対的エース(つまりリーダー)であり、振り付け担当。音楽を聴くとイメージが次々と頭の中に浮かぶ「共感覚」の持ち主で、それを基に曲の振り付けを創る、という天才肌でもある。メンバーで一番アイドル然としているけれど、今日のライブでは声を振り絞ったりして、激しい一面も見せてくれた。…僕は、アイドルさんは基本箱推しなので、推しメンというのは難しい。だけど、前述のことから、「もねちゃんよりの箱推し」と自覚していた。

ベビーピンクの衣装をまとったもねちゃんは、本当にお姫さまのようだった。かわいい…というよりも美しい!チェキにサインを付けたので、図らずもいろいろ話すことができた。「チェキは初めて?」「この前ようなぴちゃんと撮って…もねちゃんとは初めてです。」「推しはようなぴちゃん?」「もねちゃん寄りの箱推しです…」「ライブは何回目?」「えっと、どうだったけ…最近いろいろ行きはじめて…この前のコウテカさんとのツーマンは行きました。」(6回目だとちゃんと言っとけば良かった…)…こんな会話をしていた。

ピンクスナイパー(もねちゃん推しグループの名前)に入ってる?」「ニックネームはあるの?」と、流されるままに…「ゆーゆ」というピンクスナイパーNAMEを、もねちゃんに名付けられてしまった!…後で僕はTwitterでリプを送り、もねちゃんは僕を「ピンクスナイパー」リストに加えたのだった。ああ…これで僕はもうアイドルからは逃れられない

…悔いはない。最高のライブ、得難い経験、そして充実したオタ活だった。ゆるめるモ!主催の対バンは本当に異種格闘技戦ばっかりで、次回はVampilliaとの対バンを行うという。Vampilliaといえば、かつてBiSも対バンした、エクスペリメンタルなロック・オーケストラバンド。これも刺激的なイベントになるだろう。

もし僕がいま東京に住む大学生だったら、きっと毎週のようにモ!の現場に通う重度のオタクになっていただろう…そう確信している。毎週は無理だけど、何度も足を運びたいという気持ちは強まるばかりである。まだ未定だけど、次のライブ、そして新曲を楽しみに待ちたい。そして、ゆるめるモ!にはマジでもっと売れてほしい。このブログが、彼女たちの知名度向上に微力ながら貢献できれば幸いである。あ、DOTAMAさんもね!

(おしまい)