毎度さまです。
先日、久しぶりに山陰の方に出張に行ってきました。
新商品の導入が決まり、そのメーカー視察に行きました。
田舎という立地もあってか、かなりの大規模工場でした。私が過去視察した工場の中でも最大規模の工場です。
その工場視察の感想を一言で述べるとすれば、『当たり前のことを当たり前にやれている工場』。設置産業で、大規模な機械が何台もありました。理路整然と機械が設置されているのは勿論のこと、機械をメンテナンスしたり、製造上に必要なスパナやペンチ、ハサミの一本までも棚に掛けられていました。単にかけているのではありません。
例えば、スパナを掛けるフックの上には、『スパナ 1本』、ハサミであれば、『ハサミ 3本』と商品名とそこにあるべき数量も明記してあります。これは、万が一製品にこのような異物が混入することを防ぐためです。『食品にハサミが混入するわけないでしょ?』と思うかもしませんが、笑えない話、医者が手術した患者の体内にハサミやメスを残したまま、手術を終了したというようなありえないような話は現実にあるのです。ましては、工場という、何百人もの人が働く環境においては、初めて働く人でもわかるように、何をどう整理整頓するのかも『見える化』しておかないと、ありえない事故が起きてしまう可能性があるわけです。
異物の入った食品がお客様の手元に行ってしまい、万が一健康を害するような事が起きてからでは、遅いのです。会社が、自主回収等をするのは、会社の信用の低下を少しでも食い止め、原因を根絶し、いち早く信頼回復をしてくための動きです。しかし、この回収等の事後処理には莫大なエネルギーとお金がかかるはずです。
ですから、普段の『当たり前を当たり前に』実行することがいかに難しいことかということを私は理解しているつもりです。しかも、単純作業が多い中で、現場で働く従業員の方々の品質に対する意識を維持させていくことも難しいことだと思います。
最後に、私が今回メーカーを訪問をする前に、出張の意味ってなんだろうと考えました。
一つは、現場を知ることで、私自身の知識や商品に関する造詣を深めること。
もう一つは、クレームがあった際にいち早く製造の流れを頭に浮かべ、メーカーと共通言語で対応をしていけること。
この大きな二点なのかなと思います。
それ以外にも、現場の方々と直接顔を合わせ、感謝と『これから宜しくお願いします』という気持ちを伝える意味もあると思います。
出張に行く意味は、その時々で違ってきますが、目的意識を持っていかないと、無駄なものになりかねません。
私は、買い手ではありますが、仕入先から人間的により信頼していただけるようなバイヤーを今後もめざし、日々精進していきたいと思います。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
感謝@ケイゴ