夜勤明けでいい感じのテンションの
‘ゆうなみ‘です。おはようございます★
それでは以下「ポストマン 中編」です。
よろしければ目を通してみてください_(。_。)_
「手紙」
~第一章 ポストマン~
「お、じーさん彼がきたよ」
じーさんはバイクをいじっていた手を休め、立ち上がった。
じーさんはいつもこのバイクで‘手紙‘を配達に行く。
黒いタンクにセパレートハンドル、地面に水平なマフラー。
どれもかなり古いがとても丁寧に磨かれて、大切に使われている
のがよくわかる。
「なぁ1度でいいから乗せてくれよバイク、ポストマ~ン」
「おべっか使ってもダメじゃっ!」
「ケチっ!」
感じのいい笑顔を浮かべながらいつもの彼が言う。
「こんにちわ。またお願いできますか?」
「まかしとけ」
じーさんは彼から‘手紙‘を受け取るとバイクに跨った。
ドゥッ ドゥッ ドゥッ ドゥッ ドゥッ ドゥッ、、
低音が腹の底に心地よく響いてくる。
「つれてけぇえええ!!」
俺は両手を空に挙げて叫ぶ。
「百年早いわっ!」
じーさんが豪快に笑いながらアクセルを回す。
いつも通りの挨拶だ。
じーさんを見送ったあと、俺は彼の横に座った。
彼は毎日、日が暮れる頃に‘手紙‘をもってやってきた。
自然と話す時間も増えて、今じゃすっかり仲良しだ。
しゃべってみてもやっぱり彼のイメージは‘いい人‘だった♪
「おじーさん最近機嫌がいいね。君のおかげかな。」
「いじめる相手が出来て元気になるとはじーさんらしいや」
「君のことがかわいいんだよ」
「うへぇ、、マジデ勘弁、、、、」
俺をかわいがるじーさんとか想像もしたくない、、、。
「ねぇ聞いてもいいかな?」
「僕に答えられることなら」
「毎日‘手紙‘を送ってるけど、誰にだしてるの?
あっ! もしかして彼女とか!?
おにぃさんの彼女なら きっとかわいいんだろうなぁ
おにぃさんいい人だしっ!」
「僕は、、、」
「え?」
「僕は‘いい人‘なんかじゃないよ、、、」
彼がこんな顔で笑うなんて思いもしなかった。
「ごめんっ!答えにくいならいいから。ほんとごめんっ!」
俺は馬鹿だ。
彼がこんな顔をするなんて、、、
照れくさそうに彼女の話をしてくれる
そんなイメージしか俺の中にはなかったんだ。
「君のせいじゃないよ
ただ、、、
僕が弱いだけなんだ
隠すつもりもないし、よかったら聞いてくれるかな?」
「うんっ!」
俺は沈む気持ちを引き上げようと力いっぱい返事をした。
でも、、、
彼の顔からはいつもの笑顔は消えていたんだ。
「僕はね、、、人殺しなんだ、、、、」
「え、、、?」
彼は10年前に事故を起こした。
詳しくは話してくれなかったが、
一瞬で彼の人生は変わり
そして相手の人生は終わった。
2年程塀の中で暮らし、出てきてから今日までの8年間
毎日彼は遺族に謝罪の‘手紙‘を送っていたんだ。
彼は言う
僕は一生許されないことをしたのだから
何年送ったからとか 何通送ったからとか関係ない
僕には送り続けることしかできないんだ。と
「1度も返事はこないのだけどね」
彼は泣きそうな笑顔でそう言った。
「君はやさしいね」
俺は声もだせず ただ頭を左右に振るだけだった。
「君はやさしいよ
だから、、、
お願いだから僕なんかのために泣かないでくれよ」
彼はいつもの笑顔で僕にそう言ったんだ。
わからない わからない わからない
なんて言ったらいいのかが
彼が言ってる言葉の意味が
自分にできることがあるのかが
俺の頭はもうぐちゃぐちゃで泣き崩れるしかできなかったんだ。
ゴンッ!!
いつのまにか帰ってきてたじーさんが
俺の頭をおもいっきりどついた。
「このバカが、、、、」
小さくそう言って もう一度俺は殴られた。
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
俺は心の中で叫びつづけた。
何に対して許しを得ようとしているのかも分からない。
ただ俺はじーさんの胸で赤ん坊のように泣きつづけながら
そう心のなかで繰り返してたんだ。
「‘いい人‘かどうかは知らんが
わしは彼を‘好き‘じゃな」
俺はじーさんの言った言葉の意味を
今になって知ったんだ。
次の日 いつも通り彼はやってきた。
「こんにちわ。またお願いできますか?」
「まかしとけ」
じーさんがいつも通り答える。
「こんにちわ」
彼がいつもの笑顔で話しかける
「こ、、こんにちわ、、」
俺は力なく答えるしかできなかった。
彼から‘手紙‘を受け取りバイクにまたがったじーさんが言った。
「おぃ、お前も来い」
「ぇ?」
訳もわからず俺はバイクの後ろに乗せられた。
風を切りながらバイクは進んでいく
彼が謝罪をつづける相手のもとへと
今はバイクの低音が
酷く体に刺さっていたんだ
~つづく~
自分が‘手紙‘をイメージしたときに
思いつくのが‘さだまさし‘さんの
歌でした。
ずいぶん前にしったのでウル覚えなのですが
遺族に毎月仕送りをおくる人の歌があるそうです。
その歌詞を引用してある裁判官が罪を犯した少年を
諭したという事例を学部がら知ることがありまして
色々と複雑に考えた時期がありました。
今でもまだその‘歌‘はきいたことがないのですが
忘れられない‘歌‘であることにはかわりないです。
少し表現としては過激ではありますが
自分なりに伝えたいことがありましたので今回は
こういった話にさしていただきました_(。_。)_
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