志乃ちゃんは自分の名前が言えない | 妄ダメ夫のブログ

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現実世界から離れた場所に生息するダメ夫の日々の記録

という漫画を読んだ。
タイトルの通り、吃音症のために自分の名前が言えない女の子の話だ。
あとがきにも書いてあったが、作者自身も吃音で悩んだ経験があるようだが、俺もまさしくこの言葉が発せられないタイプの吃音なので、性別が違うとはいえめっちゃ共感が出来た。

思うに吃音は俺の性格形成の方向を確実に変化させたひとつの要因だろう。
思ったことがまともに話せないというのは、非常にストレスだ。
とくに思い知ったのは、初めてのバイトで人と接する時に、定番の「ありがとうございました」が口にでなかった時だ。
何年も続けていると、どもる時となんとか言葉に出せそうな時の区別がある程度つくようになったんだけど、口に出せるかな? と思ってありがとうございますを言おうとして「あ、あ、あ・・・ ぁりがとうございます・・」ってどもった時の相手の反応が怖い。
知り合いならともかく、商売で客と接する時は相手は見知らぬ他人な訳で、こちらが吃音だと知るはずもない。
なので未だに初見の人と話すのは苦手だ。


だが、この作中の主人公がやっていたように、他の言葉に置き換えるというのは俺もやっている。
そしてこれまた吃音の人の共通部分なのかもしれないが、母音から始まる言葉が非常にでにくい。
なので自分なりに言いやすいように「ありがとう」を「どうも、ありがとう」と一言前に付け加えるだけでも、発音成功率があがる気がする。
それと、吃音で悩み始めて大分たってからになるけど、どもりそうな時に直前に頭の中で発音のイメトレをする事でも成功率があがったように思う。

だがそれでもなお言葉につまる時は詰まる。特に強く言いたい部分で発音できなくなると、そこでテンションもだだ下がりしてしまうし、相手に強く伝えたい事だからいつも以上に必死に出ない言葉をひねりだそうとして、相手にも変な顔をされてしまう。


その点文字のやりとりは気が楽でいい。
文字だけだと伝わりにくい部分もあるけど、それでもやはり実際に話すのと文字でのチャットやり取りどちらがいいかといえば断然チャットの方だ。

時折自分が吃音じゃなかったらどうだったか・・ というのを考えたりする。
性格はもう子供の頃に大きく決定されてしまったので大きな変化はないかもしれない。だが、コミュニケーション能力は上がっているだろうから、人間関係に変化があったのかもなあ・・