ルイス・ウェイン 生涯愛した妻と猫 | 忘れるからね

好きなもの。が最近分からない。

自分のことであるのに、分からなくなっている。食の好みなども年齢のせいか、少しずつ変容しているような気がするし、読書も目が疲れるせいか、気力集中力の劣化かしらないが、いまいちペースが上がらない。

読書の理解を深めるために見出して、観ることが好きになった映画も、どこか惰性を感じている。

息抜きにやるゲームにしても、もうプレステ4で終わりでいいかな。と思っているし、趣味で続けているボクシングも、何だかしんどくなりつつある。

昔確かにあった、あの寝食を忘れて没頭する感覚。絶対に欲しいとがむしゃらに手に入れようとした物理的なものに対する執着。

どこ行ったんだかな。

好きなものが分からない。

この状態は思ったより空虚で、何だか淋しい。

アニメオタクとかアイドルの追っかけとか、マジもんのバカだと思っていたけど、好きなものが無いよりはマシなのかもと思い始めてる。

好きなものや人がこの世界に多い人は、人生楽しいだろうし、生きることが上手なのだろう。

好きこそものの上手なれ。ってやつか。



「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻と猫」
2021年 イギリス 監督 ウィル・シャープ
大好きだった奥さんを亡くした哀しみを、彼はどうしたかったのか、直視したくなかったのか、それとも真正面から受け止めた結果の行動だったのか、兎に角、猫の絵を描きまくる。
それがいつしか評判になり、良い感じになりそうな雰囲気だけど、彼の人生はそう簡単には…みたいな。
しかし、好きなものが明確で、そこに一直線。大変な人生だけど、生き方に嘘が無い。
嘘ばっかりで生きてる自分には、まばゆいよ、こういう人。