87分の1の人生 | 忘れるからね

人生47年間生きてきて、思い通りになったことなど何も無い。

しかしながら、いつも思い通りいかねぇなぁとかため息混じりに肩落とすみたいなことばかりでもなく、思ったより良かったこともたくさんある。要は悪い頭であれこれ考えたところで、予測可能なほど人生は単純ではなく、人智の及ばぬ領域で決まっていくことがほとんどなんだろう。なので、人生など考えるだけ無駄だ。と簡単に言えないのは、まさにその人生を今感情という厄介なものを抱えて生きているからで、不安や不満がたくさんあるということは、何か人生に期待しているからで、思考ではどうにも割り切れぬ感情で今日も生きている。

良い物、良い人、良い環境、そんな理想のあれこれに囲まれて生きられれば人生は簡単だけど、それですら、生きてることの説明にはならない。全て整ってもきっと生きてることの意味には悩み続ける。因果だな。生まれるって。



「87分の1の人生」 2023年 アメリカ
         監督 ザック・ブラフ
不幸な事故で、愛する人の家族を死なせてしまった女性。
その事実に耐えきれず、事故の記憶から逃げようと試みる。
しかし、正常を保っていられず、クスリの中毒になってしまう。
そこから彼女が、様々な人たちとの交流を経て前向きに歩けるようになるまでの話。
よくあるといえばよくあるパターンだけど、よくあるということは、良いってことである側面もある。アイラブモーガンとフローレンス・ピュー、この二人が共演してる時点で、どんな内容でもきっと観ただろうな。