あれはもう25年くらい前のことだったろうか。
1つ年下の従兄弟が、音楽をやりたいとかで田舎から大阪に出て来た。
レンタルビデオ屋でバイトしながら、レオパレスに住んでいた。
たまにうちに来たりしていたが、ある日全く連絡がつかなくなった。
そこで彼が住まうレオパレスに行ってみると、玄関ドア備え付けのポストから溢れる郵便物。
いくつか見えたものは有名消費者金融からのもの。まぁこの展開、借金で飛んだな。
めんどくせぇなぁ。と思いつつも、一応親戚ではあるし、近くで動けるのは僕だけだしで、仕方なくバイト先であったレンタルビデオ屋に電話した。
対応に出たオカマみたいな話し方をする男いわく、先週から来てないし連絡もないと言う。
こうなるともう探しようがない。
従兄弟の大阪に来てからの交友関係も知らんし、バイト以外の時間何をしていたかも知らん。探して見つけたところで、金銭的な相談ごとに乗れるほどの余裕は僕にも無かったし、真面目にやれと助言できるような生き方はしてないし、本人がランナウェイを決めたんならそれでええか。とそれきり捜索打ち切り。
現代みたいにスマホだパソコンだがあって、ドラレコやら街中防犯カメラだらけって環境だったら容易に見つけられたのかな。
とはいえ、僕の従兄弟のケースは、見つけたところで何も変わらなかったと思うけど。
「search #サーチ2」
2023年 アメリカ 監督 ウィル・メリック
ニック・ジョンソン
子煩悩な母親が、年頃の娘には鬱陶しい。
親の目が無いところでハッチャケたい、と思い暮らしていたところに、母親が恋人と海外旅行行ってくるわってなって、娘ヒャッハー。
ところが旅先で母親が行方不明。
浮かれていた娘、一転して本気。パソコンやらスマホやら最新のものを駆使して母親を捜索。
すごいな。絵空事ではなく、可能な方法であることに衝撃。パソコンもスマホも持ってるけど、こんなん絶対無理や。ほとんどの機能使ったことない。SiriにもAlexaにも呼びかけたこともない。時代に置いてかれてるな。
そんな自覚に吹き付ける寒風。