忘れるからね

自分が子どもの頃、大人は何でも出来ると思っていた。何でも知っているし、何でも買える、どこにでも行ける。そんなふうに思っていた。

しかし、実際自分が大人になってみると、何も出来ない。何も知らないし、節約に節約を重ねないと欲しい物一つ買えないし、休みが少ないのでどこか行くにしても、近郊で遠くには行けない。

大人になったとこで、社会の子どもになるってだけで、感覚的には子どもの頃とそう変わらない。

今まで親が面倒見てくれていたのが、学校に代わり、会社に代わる。

ただ、親子関係や学校なんかと違い、仕事は0点だとまずい。給料が貰えないどころか職を失う危険がある。だから、ある程度の点数は取れる様に頑張らざるを得ない。

その分、子どもの頃よりは多少しっかりはするのかもしれないが、その程度の違いしかない。

小遣い貰ってテキトーに生きてるって意味では、何ら違いはない。

自らの成長を省みてつくづく思う。

人生は短い。




「aftersun」2022年 アメリカ、イギリス

監督 シャーロット・ウェルズ

離れて暮らす父娘が、10代の夏休みをともに過ごす。

その頃の父親の年齢に達した娘が、その頃の父親に想いを馳せる。

僕には子どもがいないが、いたとしたらとんでもない迷いのなか育てたろうと思う。

世の父親やってる人たちは偉いと思う。