片嶋一貴監督『天上の花』INTERVIEW | C2[シーツー]BLOG

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 萩原朔太郎の娘・萩原葉子が1966年に発表した小説『天上の花-三好達治抄-』を原作に「いぬむこいり」の片嶋一貴監督が映画化。昭和初期。朔太郎を師と仰ぐ三好達治は、朔太郎の末妹・慶子と出会い、恋に落ちる。結婚を認めてもらおうと達治は出版社に就職するが……。『寝ても覚めても』の東出昌大が、利己主義な恋愛に暴走する三好達治役で、暴力的なジレンマ演技を体現、またTV『雪女と蟹を食う』の入山法子が、三好達治の偏愛を受け止める朔太郎の妹・慶子役で新境地を開拓。

 

 

 没後80年「萩原朔太郎大全2022」記念映画としても注目を集めている本作に豪華共演陣が集結。萩原朔太郎役には独特の風格を持つ吹越満、詩人・佐藤春夫役を演ずるのは『YAWARA!』『20世紀少年』などで世界的人気の漫画家・浦沢直樹、そして原作者を母に持つ萩原朔美役に、近年舞台でも活躍し、輝きを増す有森也実も出演する。そのほか林家たこ蔵、鎌滝恵利もアクセントを加える。 本作は、戦争の時代に翻弄されつつ、詩と愛に葛藤しながら、懸命に生きた者たちへの鎮魂歌である。

 

 

 今回、公開を直前に控えた2023年11月29日(火)に、キャンペーンで片嶋一貴監督が来名!撮影エピソードを訊いた。

 

INTERVIEW

 

 

『天上の花』

2022年12月9日(金) より伏見ミリオン座ほかROADSHOW

公式サイト

 

STORY

昭和になってすぐのこと、萩原朔太郎を師と仰ぐ三好達治は、朔太郎家に同居する美貌の末妹・慶子と運命的に出会う。たちまち恋に落ちた達治は、結婚を認めてもらうため北原白秋の弟が経営する出版社に就職するが、僅か二ヶ月であえなく倒産。再び寄る辺なき身となった達治は慶子の母に貧乏書生と侮られて拒絶され、失意の中、佐藤春夫の姪と見合い結婚をする。 時は過ぎ、日本が戦争へとひた走る頃、達治の戦争を賛美する詩は多くの反響を呼び、時代は彼を国民的詩人へと押し上げてゆく。しかし、朔太郎とはその戦争詩をめぐって関係が悪化してしまう。昭和一七年、朔太郎は病死。そして四日後には慶子が夫・佐藤惣之助と死別する。昭和一九年、朔太郎三回忌で再会した達治は、慶子に一六年四ヶ月の思いを伝え、妻子と離縁し、慶子を家に迎える。東京に空襲が迫りくる中で、身を隠すように越前三国にひっそり新居を構えた二人には、雪深い冬の過酷な生活が待ち受けていた。純粋な文学的志向と潔癖な人生観の持ち主である達治は、奔放な慶子に対する一途な愛とその裏返しの憎しみが次第に心を蝕んでゆき、二人の愛憎劇は思いもよらぬ結末を迎える……。

「天上の花」とは、一般的に仏教用語で曼珠沙華、彼岸花のことをさすが、三好達治は、その詩のなかで、辛夷の花にその名をつけている。

 

 

DATA

●監督:片嶋一貴 

●原作:萩原葉子 

●出演:東出昌大、入山法子、浦沢直樹、萩原朔美、鎌滝恵利、林家たこ蔵、関谷奈津美、鳥居功太郎、間根山雄太、川連廣明、ぎぃ子、有森也実、吹越満…ほか

●配給:太秦

PG12

 

(C)2022「天上の花」製作運動体