「映画の力」EPISODE：『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
名古屋市・Sさん・男性・60歳
高校生の頃から映画館に通っている。もう４０年以上ほぼ毎週末は映画館に通っていた。それが今回、この信じがたい状況で５週間も映画館で映画を観れなかった。自粛直前の4/13は、しばらく見納めと映画館に行き、今日5/24は久しぶりの映画館詣でをした。もちろん、観れれば何でも良いわけではないので、公開時観逃していた『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』を観た。自粛に関係なく観ていたとしても同じように好きな映画になったと思うし、家を出て家に帰るまでも、自粛前と変わったことは何もなかった。人通りも観客も少なかったけど。ただし、今回、映画が当たり前に観れるわけではないという、想像したこともなかった状況の後で観たこともあって、希望をもって生きていけることの素晴らしさが、他人事でなく嬉しく感じられ、それがすごく幸福に感じられた。普通に生きることすら当たり前でない状況もあり、普通の概念すら今の自分には信じられない状況が世の中では当たり前に存在することを、今は経験として知った。映画館で映画を観られることの幸福、感動をしっかりと楽しみながらも、それを自分のものだけにしないような生き方をしていかなければと思った。
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
●2018年製作／カナダ・イギリス合作／123分●監督：グザビエ・ドラン●出演：キット・ハリントン、ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、ジェイコブ・トレンブレイ、キャシー・ベイツ
