第68回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に、唯一日本から出品された園子温監督の最新作『ヒミズ』の公式記者会見、及び上映が、現地時間の9月6日（火）に行われ、園子温監督と主演の染谷将太、ヒロイン二階堂ふみが登壇した。
公式記者会見
■日時／9月6日現地時間12：30～（日本時間 6日19：30～）
■場所／イタリア・ヴェネチア「Sala grande」
■登壇／園子温監督、染谷将太、二階堂ふみ
▶この映画を作ることの思いは？
園監督「今回初めてオリジナルではない、漫画の原作の映画をやることにしました。10年前に書かれた漫画は、終わらない日常の退屈さ、虚しさみたいなものが若者の意識の中にあった原作「ヒミズ」を、3月11日の震災を受けて、”終わらない日常”から”終わらない非日常”があたりまえになってしまった。そういう若者を描きたかった」
▶震災後の若者の心境を問われて！？
染谷「3月11日に震災があって、今までの日本人の若者では考えなかったことを考え始めたり、すごく悲しい思いをして立ち直ろうとしていたり、今までとは全く違う思考を若者が持ち始めていることを実感しています」
二階堂「今回震災を受けて、改めて、何も知らなかったというショックを受けている同世代の人が多いと感じています。少なくとも、私はもっともっと勉強していろんなことを知りたいと思いました」
公式上映
■日時／9月6日現地時間22：00～（日本時間 7日5：00～）
■場所／イタリア・ヴェネチア「Sala grande」
■登壇／園子温監督、染谷将太、二階堂ふみ
▶ヴェネチア映画祭公式上映を終えての感想は？
園監督「日本映画の夜の上映でこんなに人が入るのは珍しいらしいので、うれしく思いました。日本人のために作った映画ですが、海外の人たちに理解されたことがうれしい」
染谷「自分の出た映画でこんなに大きな拍手が起こったのははじめてなので、すごくうれしかった」
二階堂「本当に楽しかったです。今までと違う、新しい体験をした気がします」
※３人が囲み取材を行っていると、一般のオーディエンスから「SUMIDA！」「GANBARE!」の声が飛び、サインを求められる場面も
▶初のレッドカーペットはどうでしたか？
二階堂「楽しかった。監督に「どっきりだよ」と言われました（笑）」
染谷「緊張してたけど、思ったよりリラックスして楽しめました」
※レッドカーペット上で監督は二人に「これ、どっきりだよ。カーペットの終点でばれるから」と言って二人をいからかう一場面も
▶今日の衣装のイメージは？
二階堂「中世のマリー・アントワネット風のドレスを現代風にアレンジしました。今日のために作りました」
▶受賞にかける意気込みは？
園監督「賞は取れたら嬉しいですが、賞にはこだわらない。とりあえず、世界の人に作品を見てもらえたことがうれしい」
▶日本にいる共演者には何と言いたい？
染谷「皆さんのおかげで、ヴェネチアまで遊びにこれて、すごくいい体験をさせてもらいました」
▶二人は未成年ですが、賞をとった時の祝杯は？
染谷「水ですかね（笑） 」
『ヒミズ』2012年春全国順次ロードショー
http://himizu.gaga.ne.jp/
(C)『ヒミズ』フィルムパートナーズ