あるカプセルホテルに泊まったときのことです。
値段のわりに設備も整っていて、サービスも良かったです。
実際に利用した人の評判も良かったです。
受付でチェックインしているときに、
支配人らしき人が裏の方で『1人、表出られる!!!』
と言いました。
受付にお客さんが数人いて、
お客さんを待たせないようにするためでしょう。
しかし、その声は大きく、怒鳴っていました。
仕事上で、部下を叱る場合、
その瞬間に怒る人がいます。
後で怒ると忘れるからです。
それは良いのですが、
お客さんの前で怒る人が多いです。
怒鳴る人もいます。
接客業で、その瞬間に怒鳴られた場合、
店員さんの心情は表情と行為に表れます。
ミスが増え、怒りの表情がお客さんに伝わります。
怒る方は、
まるで『自分は部下を怒っている。私は偉いのだ』
と言わんばかりのようです。
自分が怒る側になると、偉くなる気持ちがよくわかります。
上司が部下に注意するときは、
お客さんに見えない・聞こえないようにしないといけません。
怒られる側は、上司の話を聞くか、
お客さんの対応をするか、一瞬迷うことがあります。
あるお店で、上司に怒られているときに、
お店に入ってすぐに対応してくれた店員さんには感心しました。
上司の話半分でも、お客さんを優先させたのです。
注意する理由は、
『作業を正しく行うこと』と『次に起こらないようにすること』です。
そこに、怒りの感情をストレス発散のために、
人にぶつけるということは当てはまりません。
怒られた従業員は、
反省顔、不安顔、怒り顔になってしまいます。
それがお客さんに伝わってしまいます。
無理に笑顔を作っても、硬い表情になってしまいます。
表情はかなりの確率で伝わります。
どんなに素晴らしい言葉を使っても、
表情が怒っていたら怒っていると感じますし、
悪口を言われても笑顔であれば、冗談と受け取ると思います。
ミスに対して注意するとき、
すぐにすると感情が出てしまいます。
喧嘩中にカッとなって、
すぐにメールを返信すると、感情が出るのと同じです。
イライラしたときは、少しの間が空くと、かなり冷静になれます。
怒られた人は、緊張状態になります。
緊張の反対は、リラックスです。
過度な緊張状態よりも、リラックス状態の方が、
筋肉も柔らかく能力を発揮できることは誰でも知っています。
テスト中で、残り時間30分よりも1分、
橋を渡るとき、地上1mよりも地上100mの方が
緊張するのは明らかですし、ミス(不安)も多いです。
スポーツする前に、ストレッチやウォーミングアップをしなければ、
怪我がしやすくなり、全力も出せません。
ピリピリムードから、何か良いことを生み出すのでしょうか。
世界に目を向ければ、それがよくわかります。
犯罪の大半の動機は、“怒り”だと思います。
宝くじで1等当選した人が、盗みを働くでしょうか。
じゃんけんに勝った人が、「相手は後出しだ!」と怒るでしょうか。
負けた人が「後出しだ!」と言うと、
「いや、後出しじゃない!」と言い合いになり、
それが暴力等に発展することがあります。
「そうですね、後出しです。もう1度やりましょう」と言うか、
「後出しでも、負けだ」と言えば、
“怒り”はなく、喧嘩にはなりません。
すべての問題の原因は、”怒り”です。
もちろん、自分を守る大切な感情です。
でも、それをうまく使わないと、
闘うことに発展するのです。
◆”怒り”は、リラックスを壊す。
リラックスがないところに、ミスは生まれる。